86-エイティシックス- 1巻/安里アサト

“その戦場に死者はいない”――だが、彼らは確かにあそこで散った。

サンマグノリア共和国。そこは日々、隣国である「帝国」の無人兵器《レギオン》による侵略を受けていた。しかしその攻撃に対して、共和国側も同型兵器の開発に成功し、辛うじて犠牲を出すことなく、その脅威を退けていたのだった。そう――表向きは。
本当は誰も死んでいないわけではなかった。共和国全85区画の外。《存在しない“第86区”》。そこでは「エイティシックス」の烙印を押された少年少女たちが日夜《有人の無人機として》戦い続けていた――。
死地へ向かう若者たちを率いる少年・シンと、遥か後方から、特殊通信で彼らの指揮を執る“指揮管制官(ハンドラー)”となった少女・レーナ。
二人の激しくも悲しい戦いと、別れの物語が始まる――!
第23回電撃小説大賞《大賞》受賞作、堂々発進!


 リンクまみれになってしまった。山下さんが出演すると告知され(山下大輝さんもいるからこの言い方紛らわしくなっちゃうね……)、PVを見てみたら「低音カッコよすぎでは!?!?!?!?」と大興奮。そしたらフォロワーが「出番多いよ」と教えてくれたので、更にバイブスブチ上げし、原作を読んでみることにした。あとwiki見てみた山下さん演じるライデンは作者のオキニらしく、ますますバイブスが上がった。


 正直PVだとふんわりとしか世界観がわからなかったので、ザックリあらすじを説明する。舞台となるサンマグノリア共和国には白銀種と有色種(赤とか青とか黒とか色々)がいる。元々は共存していたのだが、戦争勃発にあたり白銀種は有色種(エイティシックスと呼ばれる)を搾取・迫害し始め、有色種は収容所に強制収監され戦争の最前線に駆り出されることになる。

 戦線に駆り出された有色種たちは大体1年しないうちに戦死してしまう。そこを3年4年5年と生き残った精鋭たちが集まった軍隊(スピアヘッド)を率いるのが主人公シン。そんなシンが率いる軍隊の司令官となったのが、白銀種のお嬢様であるもう1人の主人公レーナで、この2人が出会ってなんやかんやある話。最後雑になった。

 で、山下さんが演じるライデンは副官でシンとは長い付き合いのみんなの兄貴分的な少年。一言で言うと、マジで出番多かった。これアニメ化したら山下さんめっちゃ喋るな~と思いながら読んでいた。キャラクター数が多いので言うてもなところはあるけど、出番本当に多い。楽しみだねー!!!


 ようやく感想。元々1巻で完結する話だったらしく?、1巻だけで十分綺麗に終わっている。2巻どうやって続くんだろ?って思うくらいだった。

 ラノベ読んだのマジで10年ぶりとかなんだけど、序盤は造語とそれに伴うルビのオンパレードで目がチカチカした。気が狂いそうになった。しかもスピアヘッドに所属しているメンバーは本名とは別にパーソナルネーム(二つ名みたいなもん)を持っていて、本名で呼ばれたりパーソナルネームで呼ばれたりするのでマジで混乱する。混乱したくない人はバッチリそのへん叩き込んでおいた方がいい。

 でもそのへんを乗り越えて中盤くらいになるとめちゃめちゃ話面白くなる。読んだ人にはわかるだろうけど、途中ここはアニメ序盤の山場になるだろうなーというショッキングな出来事があり、そのへんから俄然面白くなる。グイグイ読ませる。目はチカチカするけど。

 何かもう「ひでーな」としか言いようがないくらい、有色種たちへの差別と搾取がひどくて、彼らを取り巻く環境がとにかく絶望でしかない。レーナもこんなのはおかしいって思って行動するんだけど、世間知らずのお嬢様なので、無意識に彼女も結局彼らに対して差別をしてしまう。しかもそれをスピアヘッドのメンバーから指摘されて初めて気づいて、めちゃくちゃ凹んでしまったり。そんなレーナとシンたちスピアヘッドのメンバーが何とか歩み寄っていく過程がすごく面白かった。

 あとはやっぱシンとレイの兄弟の因縁がね……これは絶対アニメでやってほしい!絶対映える!てかレイのキャスト誰?って思ってたら決まってなかった……。


 とにかく物凄く面白くて、絶対アニメ映えする作品なので(小説でわかりにくい描写が一気にわかりやすくなると思う)、放送が待ちきれなくなった。PV見ても劇場版?ってくらい戦闘シーンに気合い入っているので、本当にワクワク!たのしみだなーーーー!!!!

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