最近読んだ本まとめ 2021/3/6

あの日、君はなにをした/まさきとしか

北関東の前林市で平凡な主婦として幸せに暮らしていた水野いづみの生活は、息子の大樹が連続殺人事件の容疑者に間違われて事故死したことによって、一変する。深夜に家を抜け出し、自転車に乗っていた大樹は、何をしようとしていたのか――。
15年後、新宿区で若い女性が殺害され、重要参考人である不倫相手の百井辰彦が行方不明に。無関心に見える妻の野々子に苛立ちながら、母親の智恵は、必死で辰彦を探し出そうとする。

 電車の広告で見たのかな?なんか話題作っぽいし、毒親ものということで読むかと買ってみた。わたしは割と母親との関係で悩んできたタイプなので(社会人になってからマシになった)、毒親もの買ってしまうのだが、自分の経験を思い出して凹むという自傷行為になりがち。

 とはいえ毒親ものといっても母と娘か母と息子ってやっぱ違うよね。どちらにせよ「母親」という生き物とんでもねえ……となった。

 この作品は二部構成になっていて、一部から二部で時間が飛ぶのだが、二部に入るとなかなか一部の登場人物が出てこないので、最初「これオムニバスか?」って思ってしまった。なかなか繋がりが見えてこないのだが、見えた瞬間のあっと驚かせる感じはすごく面白かった。

 あらすじからしてドロドロしているようだが、サクサク読めるし、グイグイ読ませるのであっという間に一気読みしてしまう作品だった。


完璧な母親/まさきとしか

流産を重ね授かった最愛の息子が池で溺死。絶望の淵で母親の知可子は、息子を産み直すことを思いつく。同じ誕生日に産んだ妹に兄の名を付け、毎年ケーキに兄の歳の数の蝋燭を立て祝う妻の狂気に夫は怯えるが、知可子は歪な“完璧な母親”を目指し続ける。そんな中「あなたの子供は幸せでしょうか」と書かれた手紙が―。母の愛こそ最大のミステリ。

 あらすじから地獄が漂いすぎて笑った。でも実際読んでみると「うわぁ……」とはなるものの、結構サクサク読める。あとこれミステリなのかな……?最後まで読ませはするものの、だいぶアクロバティックな着地をしているので、不完全燃焼感が残った。


なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?/アガサ・クリスティ

牧師の息子ボビイはゴルフの最中に、崖下に転落した瀕死の男を発見する。男はわずかに意識を取り戻すと、彼に一言だけ告げて息を引き取った。「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」幼馴染みのお転婆娘フランキーと共に謎の言葉の意味を追うボビイ。若い男女のユーモアあふれる縦横無尽の大活躍!

 3月11日までアガサ・クリスティの全作品が50%OFFとかいう最高の祭りが開催されているので、爆買いしたうちの1冊。みんなもこれを機にクリスティ作品買おう。ちなみにわたしのオススメは「春にして君を離れ」一択。もうオリエント急行もアクロイド殺しもそして誰もいなくなったもすっ飛ばしていいから、とにかく春にして君を離れを読もう。

 こちらはノンシリーズものの作品。ミステリーとしても良くできているし、ひょんなことから事件に巻き込まれた素人探偵の男女2人が危ない綱渡りをしながら事件解決を目指していくハラハラドキドキ感がすごく楽しかった。


アガサ・クリスティー完全攻略/霜月蒼

 もう名前の通りの本なのであらすじは省略。これ文庫版の定価は1056円ってなってるけど、フェア開催中の今はそれが何と110円で買える。やばすぎでは?

 クリスティ全作品について充実した解説をされていて、クリスティ作品の地図的な役割として最適な本になっていると思う。未読の作品は「なるほど」と思い、既読の作品は「わかる~!!!」となる本だった。

 ただ、筆者が★5をつけている作品でも「そんなにかなあ……」と思うものもあれば、低評価の作品でも「私は好きだな」と思うものもあったので、あくまで筆者の好みは筆者の好み、自分の好みは自分の好みでいいと思う。

 でも★5つけてる作品の「未読は許さん。とにかく読め!!!!」という圧には爆笑させてもらった。わかる。「春にして君を離れ」とか「終りなき夜に生れつく」はわたしも大好きな作品なので、もうとにかく読めという圧の強さわかる~!!!!と思いながら読んだ。

 あと最後のネタバレページ、既読作品のネタバレ読みたいからって読むと未読作品のネタバレを踏む危険性が大いにあるので、ネタバレページ読む際にはそのリスクを留意した方がいい。わたしは「三幕の殺人」のネタバレを踏みました。


 クリスティフェアでクリスティ作品を爆買いしたので、しばらく読書感想文はクリスティ一色になりそう。

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