人と繋がるためのいくつかのフェーズ
この半年くらい自分の人生で「人と繋がること」を意識して過ごしていた。その理由は端的に言えば、世知辛く厳しいこの世界を生き抜くための生存戦略として必要だと考えたからだ。自分一人の力でできることには限界があるし、将来に不安を感じるのであればそう思った瞬間から行動に取り組んだ方がいい。
世の中には大きく分けると2種類の人間がいて、自分一人で考え意思決定し実際に行動できる自己完結型人間と、他人に乗っかることで人生を進めていくタイプの人間だ。自分は後者である。
というのもわたしの人生が変わったタイミングが「実家を出たこと」であり、実家を出られたのはフォロワーが「実家出たいなら、うちのシェアハウス空き部屋あるから来る?」と言ってくれたからだ。提案だけでなく実際に色々動いてくれもした。そんな風にして他人から差し伸べられた手を掴み取って今の自分がある。彼女にはもう感謝してもしきれないのである。マジリスペクト。
そんなわけなので、自分は他人から差し伸べられた手を掴み取って進展させていく人生であり、そういう自分に新しい世界を見せてくれる人との繋がりを持とうと考えた。そんなことを考えて過ごしていた結果、いくつかのフェーズがあることに気付き、例のフォロワーに話しても結構ウケたので文章に残す。
1.直接人の集まる場に出向く
新しい世界を見せてくれる人との出会いを考えたときに、それをSNSの繋がりで実現することはもはや限界だと思う。そしてそもそも「新しい世界を見せてくれる人」とはを考えたときに、既存の人間関係にはいない属性を持った人間であるという結論に至った。あとなんか自分の人生を面白く生きてて面白いことやってる人と出会いたい。
でもこの種の人間と出会おうとしたときに、もはや自分の中で「自分と同じノリのオタクを見つけるためのツール」になってしまっているSNSはこの目的に適さない。歳を重ねるごとにこだわりが強くなり偏屈になりSNSで新しく誰かと仲良くなることが難しくなってしまっているし、何より誰とでも繋がれるがゆえに選択肢が多すぎて結局誰とも繋がれなくなっている気がする。
というわけで、人の集まる場に直接出向くのがいいだろうと考えた。オンラインと現地を比べたら現地に凄まじい魔力があることは、オタクなら誰でも知っていることである。それを人脈づくりにも適用してみることにした。そもそも人の集まる場所に行かなければ、何も始まらないのだ。
そんな風にぼんやり思っていたところ、例のフォロワーがわたしを色々な場に連れ回してくれた。知人がやっている飲食店とか、彼女が所属している美術系コミュニティの展覧会とか、下北沢のライブハウスだったり、自分一人では絶対にアクセスしないであろうコミュニティを見ることができた。
その中でわたしは完全に借りてきた猫になっていることがほとんどだったが、世の中にはまだまだ自分の想像もできないタイプの人が色々いることを実際に目の当たりにできたし、自分が会話に入れなくてもそこで交わされている会話に耳を傾けるだけで刺激的だった。SNSの世界と比べれば比べ物にならないほど狭く小さい空間だったのに、今のSNSでは味わえない世界の広がりを確かに感じられて、すごく良い体験ができたと思う。
もちろん自分から出向くだけでなく、人からコミュニティに誘われたときに勇気をもってYESと答えること、これもものすごく大事だ。その人が自分にないユニークな交友関係を持っている人ならば特に。
2.気になった人には自分から声をかける
さっきから当たり前のことしか書いていない。フォロワーに色々なところに連れ回してもらったが、まだ仲良くなったとまで言える人はできていない。そういうことが続いて「ただ集まりの場にいるだけじゃダメだ、気になった人がいたら自分から声をかけないと」と思うようになった。
ところで今わたしはとある資格の勉強をしていて、今月その資格の受験生オフ会があった。この資格の受験生の年齢層は高めなので、普段接することのない世代と知り合えるのは刺激になるだろうなと考えたし、第一にこのオフ会を主催した通信講座スクールの先生に会いたかったので、意気揚々と参加した。
結論から言うと、同い年の友達ができた。声をかけたのはわたしからである。世代の違う人と交流するぞ!と意気込んだものの、元々超がつく人見知りであり、大人数の場が大の苦手なので、世代が違う人たちとは会話のとっかかりがなくかなり気疲れしていた。
このオフ会は昼の部と夜の部があって、昼の部は一室スペースを借りてお菓子を食べながら自己紹介したり歓談したりして、夜の部は居酒屋で飲み会だった。そして友達は夜からの参加で、初めて見たとき見るからに若いし同世代っぽい人が来たなと思った。席が離れていたのでそのときは話しかけられなかったのだが、同い年であることが会話の流れで分かったため、店を出て二次会に行くタイミングで声をかけたのだ。ちなみにこのときわたしは酔っぱらっており、アルコールによるコミュ力バフがかかっていたためできた芸当であり、素面だったら無理だった。ありがとうお酒。
結局年齢だけでなく住んでいる市まで一緒であることが分かり、オフ会を解散した後サシ飲みをして、結局家に帰ったのは明るくなってからだった。2人になってから友達も実は年齢層高い人ばかり緊張していて、同い年の人がいてよかった!と言ってくれた。
そしてこの友人はかなりぶっ飛んだ人で、2人になったときに「僕、会食でしかお酒飲まないから居酒屋のノリ本当分からなくて疲れた」と言ってきたり、参加者約20名・会費4000円という居酒屋の飲み放題以外ありえない情報を見て、オシャレなレストランでの会食だと本気で思い込み(主催者が頑張って安くしてくれたと思ったらしい)、ナメられないように全身ハイブラで固めてきていたのだ。想像以上に面白すぎる人と仲良くなってしまい驚いた。
そして声をかけようと思ったのは、色々な場に連れ回してもらった過程で「気になった人がいたら声をかけないと仲良くなれないんだ」と学習したからであり、フェーズ1があってのこのフェーズ2である。
3.人から声を掛けられる人になる
基本的には1と2の繰り返しでいいと思うし、フェーズ3は結局は自分ではコントロールしきれないので、これは上級者向け(?)テクとしている。でもフェーズ3をモノにできたらフェーズ2の成功率が上がるので頑張る価値はあると思う。
「人から声を掛けられる人になる」とはどういうことか、わたしはこれをセンスの良い見た目になることと考えた。なぜか。それはこの記事で書いてきた「場」とは、基本的に自分自身のことを知っている人が誰もいない場だ。そうなれば、見た目で判断する/されるしかない。別にこれは美男美女でなければお話にならないというものではなく(だとしたらわたし含め少なくない人がスタート地点にすら立てないだろう)、パッと見て「雰囲気良いなあ」と思わせる人になるという話。初対面で何となく雰囲気良いなあと思う人って、必ずしも世間一般的に顔が綺麗とされる人に限らないと思う。もっと総合判断というか。主にファッションだと考えている。
というのは例のフォロワーが1人で初めてクラブに行ったところ、なかなか面白い女の子たちに声を掛けられ仲良くなったという話を聞いたときにこのフェーズ3を思いついたのだ。何となく「なぜ声をかけられたのだろうか」と考えてしまい、このフォロワーはすごくファッションのセンスが良いので、それに引き寄せられたのだろうという仮説が生まれた。という話を本人にしたらわたしの仮説は当たりだった。
センスのいい見た目であることは面白い人を引き寄せる力になるだろうし、面白い人との繋がりができたときに、その人により良い印象を与えることができると思う。そうして新しい人たちと繋がっていける。そんなわけで、今年はファッションや見た目をもっと強化していきたい。
4.まとめ
この話を一通り例のフォロワーにした後「フェーズ4があるかもしれないし、ないかもしれない」と言ったら、彼女は「フェーズ4があるとしたら、自分で人と人が繋がる場を創ることかもしれない」と言っていて、めちゃくちゃ腑に落ちたし、綺麗な円環になるなと思った。あとやっぱり彼女は常にわたしの先を行っている……とも思わされた。
その言葉の通り、彼女はわたしに人と会う場をセッティングしてくれた。半年ほど前からめちゃくちゃ会いたいと思っていた人なのでワクワクとドキドキが半々だ。出会ったその日に意気投合し即友人になることもあれば、共通の人間がいて複数のSNSで繋がっているのにも関わらず出会うまでに半年ほどかかることもあり、人との繋がりって面白いなあと思った。
自分はまだフェーズ1と2を反復横跳びしているような状態で、3以降に進むのはだいぶ先の話だと思うが、とはいえ1番重要なのは1と2である。人の集まる場に行かなければそもそも繋がりたい人と出会うことすらできず、行ったとしても話しかけなければ余程の奇跡が起きない限り、その人と何も起こりはしないのだ。
もちろん美男美女であるか、華やかな肩書や家柄があるのならば待っているだけで話しかけられるかもしれないが、それを理由に話しかけてくる人間ってあんまりおもしろくないと思うし、大前提としてそのようなギフトを持って生まれた人間は少数派なので、そのようなギフトを持たないのであれば自分から話しかける方が断然早くて確実である。
わたしは周りのオタクたちと比べて友達が少ない気がする……と少しそのことを気にしていたのだが、今いる友達が少ないことが気になるならば今から増やせばいいという当たり前の事実に気付き(社会人になったら二度と新しい友達ができないなんてことはない)、人間関係の広がりはある程度実現できている感覚があるので、今はハッピーである。今年もちゃんど行動に起こして面白いことをしている人、面白いことを考えている人との繋がりが増やしていきたい。