「天然痘」って「どれ」のこと?
「犠牲者を出しても全員接種で根絶させたことは正しかった」などとサイコな発言をする科学者様もいるわけだが、そもそもの"天然痘の性質"についてタイトルの通りの突っ込みをしたい。…と言っても、唐突過ぎて何を言っているんだお前は状態だろうと思う。
考えてみて欲しい。微生物検査が臨床場面で導入されたのは20世紀初頭の話である。言い換えれば、それ以前の世界は感染症診断において病原体を特定するなどという発想はなかった。
また、検査問題に関しては、ICD(国際疾病統計分類)や精神医学におけるDSMのような、全世界共通の統一診断マニュアルも存在しないという条件もある。
従って、現代の診断と昔の診断が一致する保証などどこにもない。個人の診断能力に完全に委ねられ、第三者の確認が介入する余地もない。マニュアルもコードも存在しないということは、医師の一存で次々と病名が量産されることになる。統一など全くとれようはずもない。※診断が医師の一存であるのは現代も同じかもしれないとは思う。
つまり、100年前に「天然痘」と診断されていた症例を現代人が最新設備と共にタイムリープして診断したとして、結果が一致する保証がどこにあるのだ?ということだ。何を問いたいか?「天然痘」はどこまで「天然痘」だったのか?である。
これが揺らぐと何が起こるか?「致 死 率 30% って何だ?」である。
いつどの時点で採取されたもので、個々の症例はどこまで診断の精度が担保されていたのか?また、「貧困層の中でも更に虚弱体質者ばかりが寄せ集められている区画だけで算出する」などというサンプルの偏りはないだろうか?或いは数百年前なんて頻繁に戦争をしていたわけで、負傷兵は当然感染症リスクが上がるわけだが、死にやすい人間ばかり集めて数字を盛っていた可能性は?ナイチンゲールはクリミア戦争の後で何を言ったんだっけ?「負傷兵の死因は戦闘行為よりも、不衛生な収容所での伝染病」って鳥の鶏冠グラフで訴えたのではなかったか?それ以前に、ぶっ倒れるまで負傷兵を看病してそれを冷静に統計に出来ている時点で「感染率100%」が破綻していることは明白なはずだが。仮に100%をどうにか捻り出すことができたとして、それが極限られた条件下での話なのは明白だ。
そして昔の英国は絶対王政下かつ人種差別が当然の時代だったわけだが、この数字に白人や富裕層は含まれているのか?そもそもどこの国家の話だ?
至って健康で清浄な衛生環境で過ごす現代人が無防備に暴露した時に一方的に殺されるような恐怖だと誰が言ったのだ?
ちなみにこの全体主義に関しては、当然ながら昔の方が露骨である。例えば19世紀後半には「良心的接種拒否条項」なる、医学的理由でない、宗教的理由による接種拒否条項が設置された。そりゃ接種後にあからさまに破傷風やら敗血症やらが起これば誰だって警戒するわけだが、同じ英国人ながらスコットランド人とアイルランド人を適用外とする露骨な人種差別が法的に罷り通っていた。
また、接種を拒否する使用人は強制解雇などやりたい放題だ。今のマスク警察と同じようなものである。
現代はここまで法的強制力はなくとも、平気で個人の尊厳を踏みにじろうとする人間心理に大した違いはない。何時の世もクズはいるものだ。
さて、前置きが長くなったが、本題は「天然痘ってどれのこと?」だ。現 代 の ウイルス学分類で致死的でないVariola Minorと、致死率の高い(とされる)Variola Majorの大きく2種類があることくらいは知られているが、実際の所はそれだけに留まらない診断がされていたことを紹介する。
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