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「ウイルス存在しない」論:ステファン・ランカはただの老害

断っておくが、私は存在する派である。一時「=エクソソーム派」に偏った過去があるだけに見解を戻すことに勇気は必要だったが、調べる内に矛盾に気付いていった為だ。矛盾に気付いたら修正するのが科学である。

まず、ウイルスは存在しない(viruses don't exist)というミーム自体は1930年代からある議論であり、今に始まった話ではないということだ。

どいつもこいつも細菌の多態性理論(Pleomorphism)を考えないし、バクテリオファージ(細菌感染ウイルス)には絶対に触れない。手続き上の怪しさを突いただけで何ら決定的証拠ではない。

だいたい存在する派も電子顕微鏡を神聖化し過ぎである。存在しない派の言い分は、映された画像の粒子を単離し、それだけを使って麻疹を起こす決定的証拠を寄越せと言っているのだから、画像だけ見せた所で信じる道理もなく、「論文がそう言っている」と喚いた所で、「その全てが妄想」と考えている人間に響くわけがないのだ。

ちなみに多態性理論の考えでは、「ウイルスとは細菌の一形態」である。今現在は仮説にすぎないが、例えば梅毒の原因菌”スピロヘータ”のウイルス形態が”ヘルペスウイルス”といった具合である。ウイルスと細菌は切り離せない関係性にあるのだが、常識にケチつける割には「ウイルス存在しない」派は基本的に病原体の単態性理論(monomorphism)に則っている。

ちなみにTwitter上でまさとかいうバカがカウフマンの動画を根拠に「エクソソームは分離ができている」言っているが、これは「(今の)ウイルスと違って抽出の際に超遠心分離器にかけている」というだけであり、”雑物なくそれだけを純粋化”できているかという根本的な問題に関しては、エクソソームもまたこの問題を克服していない。要するに”カウフマンが定義する「分離」の定義を満たしている”だけであって、実際に”単離”できているかは別問題である。

そしてこの論争に決定的に欠けているのは、ステファン・ランカという人物自身の、その出自を誰も調べようとしないことだ。

決定的記述を紹介すると、トマス・コーワンの著書”The Contagion Myth”-Chapter5. Testing Scamにまさにこの記述がある。

ドイツでの院生時代、ランカは海水から初めてウイルスを発見する機会を得た。海藻研究で電子顕微鏡を使用し、藻が”粒子”を含有していることに気付いた。この粒子の正体を調べるべく、また、健康な藻の中に住むウイルスについてこれまで誰も記述したことがないことを知っていた彼は、次のように進めた:

・藻をミキサーのようなもので粉砕し、藻の細胞壁をバラバラにする。
そして、
・この混合物を極細のフィルターで精製し、ウイルスの大きさの粒子を他のものから分離した。
こうして、
・水とウイルス、そしてウイルス以下の大きさのものからなる純粋な溶液を得た。
・この溶液を密度勾配遠心分離機にかけると、溶液が回転し、粒子が帯状に分離される。
・その最後のステップでは、マイクロピペットを使って、ウイルスだけを含むバンドを吸い出す[7]。

このシンプルな手順は、あらゆる組織や溶液からウ イ ル ス を 精 製・分 離 す るためのゴールドスタンダードである
そして、

この精製されたウイルスを電子顕微鏡で観察し
その形や構造を明らかにし
ゲノムを解析し
どのようなタンパク質を含んでいるかを確認することができる

これで、
「新しいウイルスを発見した」
「その構成は間違いない」
と自信をもって言えるようになった

この発見により、彼は博士号を取得し、ウイルス学者として有望なキャリアを歩むことになった。

ランカの実験で唯一彼を驚かせたのは、藻類とこの新しいウイルスとの相互作用を研究した結果、ウイルスを含む藻類は繁栄し、ウイルスを含まない藻類よりもはるかに健康で、ウイルスがいなければ生存できないという結論に至らざるを得なかったことである。彼は、他の生物の体内に存在する本物のウイルスは、当時考えられていたような病原体ではなく、宿主の健全な機能にとって不可欠なものであるという結論に初めて達したのであろう。

つまり、私たちの体内にはマイクロバイオームに加えてバイロームが存在し、このバイロームがなければ私たちは健康になれないということを最初に提唱した一人なのだ。1980年代には、このような理論を提唱した人は誰もいなかったので、これは急進的な考え方であった。

ランカがウイルスを分離し、精製し、特性を明らかにしたシンプルで論理的な方法と、現代のウイルス学者がウイルスを増殖させる方法を比較すると、ウイルス性疾患の検査に関する問題や混乱が見えてくる。

ランカは、現代のウイルス学の研究者たちが、「ウイルス」を分離、精製、特性評価することなく、増殖技術による人工物と混同していることに気づいたとき、病気を引き起こすとされるウイルスが存在するのかどうか、自然に疑問を抱いた。それは、ウイルスが感染力を持つかどうかということではなく、もっと根本的なこと、つまり、ウイルスが存在するかどうかということだった。

要約すると
・ランカは院生時代に海洋性ウイルスを研究した。
・自分の実施したウイルス分離法がゴールドスタンダードである。
(コーワンも認める)
・これと同 じ 手 順 を現代ウイルス学者は踏んでいない。

つまりランカの主張は、「現代ウイルス学者がウイルスと呼んでいるもの」に限定され、故に「この世の全てのウイルス=エクソソームなどランカは一言も言っておらず、この時点で”全ウイルス=エクソソーム”は破綻する(※これを言っているのは世界で﨑谷だけである)。更に言えば”バイローム”なる概念まで提唱し、「ウイルス無くして健康なしとまで謳うウイルスLOVERだ。極めつけとして、その言い分の根源は自分と同じ方法を現代ウイルス学者がしていないことにあり、要するに”俺と同じ苦労をしていないとイチャモンをつけているだけの老害である。

ちなみにここでコーワンが言う"ゴールドスタンダード"をYoutubeで宮沢孝幸准教授が解説されている。かなりの繊細な職人技のようで、研究者としての長いキャリアを要する一方で確立された分離法であり、そしてこの方法ができる科学者はわざわざ「分離」を論文にすることはない。

 ウイルスの分離と存在証明について:連続講義(第5回)

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