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ロダーマンド博士の実験

※2023/4/10更新 第二版

1901年1月21日(月)午前11:30頃、私はX氏の住まいを訪問した。ここでスターク嬢が天然痘で療養している。私が入室するなり、X氏は椅子から飛び上がってこう言った。

「誰も入れてはならないと言われております。」

「気にするな。」と私は答えた。
「私は誰でもないさ。だから多分、問題ないだろうな。」

私は天然痘患者の様子を見に来たのだと伝えた。

「彼女はそこです。」

彼が指差す処、部屋の隅に少女が横たわっていた。夫人が窓際で縫い物をしていて、二歳ほどの子供が部屋を走り回っていた。

「天然痘をもらうことが怖くないのか?」と尋ねた。
「ええ。」夫人が応じる。「怖くなどありません。」

「ただ、お医者様が言うには、この病は伝染力が強いのだと…"この患者を家族と引き離さないとは不用心で怠慢ではないか?これは天然痘の真の症例だ。この膿の詰まった大きな膿疱を見てみなさい。"と。勿論、人から病気が移るなんてないと分かっていますとも。」

そこで真実を見せるべく、私は少女の顔と腕の大きな膿疱を幾つか潰して膿を手に取り、自分の顔全体、手と髭と衣服に塗りたくり、「これから帰宅して夕飯を摂る」と告げた。

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2022年、コロナ騒動が始まってから一向に収まる気配を見せず、それどころか天然痘の話まで出てくる始末です。では200年前、100年前の騒ぎの時はどのようなものだったのか?今歴史を振り返ることは、冷静に今を見つめる鍵になると考えます。1902年からちょうど120年後の2022年にこの本を蘇らせることが重要だと考え、今ここに120年前の激動の先人たちの奮闘を翻訳いたしました。是非ご高覧下さい。

1902年出版ジョン・ホッジ博士「The Vaccination Superstition」をマガジン形式にしたもの

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