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コロナ禍は、過去と未来からの警告

コロナ後にどう対応していくのかを考えた時、特に企業内の立て直し問題ですは、どうしても考えをまとめにくい感覚に陥ります。当初はそれが問題の大きさのせいかと思っていたのですが、最近は複数の課題が混ざっているのが原因だと思えています。

二種類のアラート

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「過去からのダメ出し」と「未来からの警告」の二種類のアラート。前者は、今まで放置し、度々問題となって来たにもかかわらず「大人の対応」と称して手付かずにいた負の遺産。そして後者は、今後数年後になっている状況の予告編。

過去からの「ダメ出し」

現在進行形の課題でもありますが、いつか「やるやる」と逃げ回ってきた問題です。さっと見渡しただけでも数課題が浮かびます。コロナ禍は「このまま放置して先に進めますか?」と問いかけているようにさえ思います。

● イノベーションなし(本質的な「革新」の風はずーっと凪のまま)
● 硬直化した組織(変化に対応できないメタボ組織)
● 働かないおじさん(何も生み出せない管理職)
● 属人化優先/IT軽視(KKD[勘/経験/度胸]中心で&IT学習意欲もない)
● 若者使い捨て(若者の時間も未来も使い捨て)
● ブラック企業(隠蔽方法だけが狡猾化)

未来からの「警告」

数年後に来たるべき姿が一瞬蜃気楼のように見えたかの様でした。若者が減り、データ活用が死活問題となり、即決対応能力と高速PDCAサイクルが重視され、対面や移動に関する価値観が、今とは根こそぎ変わってしまっている未来の姿。コロナ禍は「こうなるんだけど、このままで来れるの?」と問いかけているようにさえ思います。

● 少子化/2025年の崖
● データ/スピード優先
● 価値観変動:対面/移動
● IT活用の死活化
● 制度疲労
● 旧優良資産の不良化

「むつかしいことは一度に1つだけ」?

大きな問題に対処する場合、幾つかの中小タスクに分解して、それぞれに対応し解決策を幾重にも重ねます。それが常道でした。大きな障壁に立ち向かうには、小さな成功を積み重ねるしかないと習ってきましたし、そうして来ました。

2020年の春、それが崩されました。全部いっぺんに解決しなければ生き残れないモードに入って来たのです。一歩ずつ等という悠長なことを言ってられる状況ではありません。環境が変わったのですから、会社は社員を全力で守らなければ、事業自体が方向性を失い始めています。

そうした苦悶が如実に見えたのが、コロナ禍第一波の辺りの、大企業の沈黙と、ITベンチャーを中心とする新興勢力の機動力の差です。大企業は文字通り、二種類の課題に対峙することになり、新興勢力は過去が薄い分動きやすかったのです。

過去のダメ出し問題は、「働かないおじさん問題」として度々議論されてきました。それでも決定打を打つことは稀でした。働かない中心層が出世して、いまや会社の方向性を決めているのですから、自らの身を正すことなどできる訳がありません。

解決へのキーワード

おそらくは、「若手」「デジタル化」「断捨離」、この三つが鍵になる様に思います。どれが欠けても明日はないからです。

● 若手(価値観/担い手/権限移譲)
● デジタル化(見える化/共有化/統合化/多様化への寛容さ)
● 断捨離(省無駄/働かない者…)」

過去の不良債権に足をとられて前進をやめるか、先の未来を守るために一見賭けに見えるような投資をするか。決めるのは「今」ですね。

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