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テレワーク期の営業=面談は贅沢へ

コロナ後の方法論の模索が続いています。特に「営業」の分野がけたたましい感じがしています。それでも、電話がかかって来ます。Web会議を外でもしているだろうと分かっているだろうに、SaaSツールの営業でも、電話がかかってきます。

これからの動き=リアル面談は贅沢領域へ?

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営業のプロセスをどう分けるかも諸説あります。営業を受ける側の視線で考えると、やはり上図のように五段階と考えるのがシンプルです。その上で、各フェーズがどのような変遷をたどるのかを考えてみました。

結論から書くと、よほどの客でない限り、人間が対応しなくて良い世界ではないでしょうか。

1)集客

リアルイベントが中心だったと思います。如何に大規模な会場で、豪勢なプレゼンテータを擁することができるか、それがその商品のブランド力であり、実施する力があるだけで、信頼に足るという判断を貰える状況でした。

反面、聞きたいプレゼンのために往復の時間を使い、思い紙の資料を会社に持ち帰り、社内ネゴのために転記系の資料作をし、社内稟議を通し、漸く営業さんに問い合わせる社内体制が整うという遠い道だっととも言えます。

それが一気にネットイベントに変わりました。会場費は不要です。カメラとマイクはそこそこ投資した方が良いですが、司会/事務局側がどんなに高品質になっても、プレゼンテータ側は自宅のプアな環境で話したりもします。司会もプロを雇わず社内調達でも可能です。資料も印刷せずダウンロード中心にしても、見せるだけにしてもOKです。実際、講演依頼も移動時間なく行えるので、簡易に簡素に行なえます。

2)見込み客フォロー

イベントに行っても、資料請求をしても、平日会社に電話がかかってきました。文字化する時間を節約できるのは嬉しかったですが、会議に追われ入手した資料を読み込む時間もないのに、電話で時間を取られて辛かったです。

それがネットイベントに変わっても、ここは状況が変わりません。イベント参加表明した時点で電話番号が必須の場合がほとんどです。

テレワークで働いているという前提で考えたら、かなりの確率で相手の方は会社に居ません。登録時に書いた電話番号は自分の電話の番号です。そうでないと、空っぽのオフィスで電話がなるか、紙と印鑑のためだけに泣きながら出社している仲間を苦しめることになります。

そこにジャカスカ電話がかかってきます。しかも、こちらはWeb会議を多用しているのです。ジャマ度合いは正直言って倍増しています。本当に欲しければ、気に入ればこちらからmailなりフォーム入力して、「かまってくれ」と表明します。

私は自分電話の番号を直接伝えるのが嫌なので、下記SMARTalkを活用しています(昼間は基本出ません)。

将来的には、チャットとFAQでこのフェーズは良いのではないかと思っています。わざわざ人間様にご対応して頂く必要がありません。

3)問い合わせ対応

こちらの都合などを伝えて、営業側から見ると詳細なヒアリングをして、最適解や工夫提案をする事前準備の段階です。従来は基本電話かリアル面談です。担当者が先ずは会い、概要や注意点を伝え、上位面談につなげます。

ここも今も余り変化を感じません。最近体験したもので言うと、時間短縮のためにあれこれといきなり詳細を問合せたせいか、同業者と思われたようで返事を頂けませんでした。逆に悪くなってる感じさえします。

将来的には、FAQや事例紹介などコンテンツの力で、「質問するまでもない」という状況を願っています。

4)商談

以前は、電話で日程調整してから始まるものでした。これがまた厄介で、関係者の日程調整を行う必要があるのです。上位層を絡ませるには、全然予定が空いていなくて苦労の連続でした。

それが移動時間がなくなったおかげで、共通空き時間を見つけやすくなりました。下記のようなツールでサクッと確定できてしまうことも増えました。

但し、日程調整がツール化しただけで、商談会議は新しいことが増えた気がします。兎に角、何のために集まったのかという満足感を得られなければ、調整した者まで恥を見ます。会議後、準備不足すぎると感じるのは、短時間で濃密度でモノゴトを決めていく習慣が少し付いてきたからかもしれません。

アジェンダの流れ、プレゼン資料のわかり易さ、協議のしやすさ、結論のまとめ…全フェーズで方法論が変わりました。時にはパワポもプレゼンモードでやるのではなく、左側にページサムネールが見える編集モードで実施する場合もあります。アジェンダ代わりに次に何を話すかを予感してもらうためです。プレゼンテクニック自体が変わってきているように思います。そして、前にも増して「事前準備で大半が決まる」状況に突き進んでいます。

気軽に実施しやすい分だけ、計画性が求められています。しかし、気軽に実施しやすいが故に、思わぬ展開もあり得ます。協議中に出てきた話題の関係者をいきなり呼べたりします。ちょっとまってね、五分なら調整可能かもしれないので呼んでくる、といった感じです。一気にモノゴトが進む可能性が高まりました。

5)顧客フォロー

ここも従来は人力で頑張るフェーズです。如何に足繁く通ってくれるかは、大事な要素でもありました。でも今後は、運用データを見て、何らかの予測を持って新たな提案をもらったり、ログ解析の結果からアドバイスを貰ったりするフェーズに代わって行くはずです。そして人間に依らず、ダッシュボードで自分自身でできることも増えて行くはずです。そんな状況の中で、担当営業の方は何をすれば良いのか、新しい価値が必要です。今は未だ漠然としていますが、コンテンツ自体を分かり易く、伝わりやすいものにする方向の何かだと予想しています。

次に来るもの

営業さんが事前準備をリッチにしていけば行くほど、求めるお客さんも詳細を事前に知るチャンスが増えます。サービスアドバイザーや比較サイトも更に充実するでしょう。巡り巡って、機能的なUX的な淘汰や競争が熾烈化すると思います。本当に良いものだけが生残り使われる、そんな未来が、テレワーク営業によって加速するのではないでしょうか。

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