mitiru

埼玉県にいます。

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最近の記事

収束のそれにないこれ

噴水そばのベンチ。水の断続的な音が、一体感のある音を構成する。 部分を知覚していて持続の知覚もあるから噴水や海は流れになる。 欲望をリスト化できるほどひとは出来上がって生きているわけではない。不完全さの満ち足りなさを知ることなしに、ただ身体と世界の持続だけが、その部分としての知覚だけがある。 串カツの小ささ。小さい。ミースファンデルローエの椅子。 ビュジェと発音してみる、口のもぞもぞする振動。 世界に投げ出されている。偶然さは自明にすぎて、自明さゆえに偶然ささえ疑わ

    • 旅は終わる生活は、

      旅を終えても、ホームがないと、やっぱり家が良いねとはならない。そういうことが言えるタイプの人は、実は旅に行かなくても、なんだっていいんじゃないか。映画でも1冊小説を読むでも、あんまり仲良くない人とご飯に行くでも。 スマホのホーム画面からYouTubeを開いて、飽きて閉じてホーム画面に戻るんだけど、またすぐにYouTubeを開くような生活だ。どうしてまた開いたのかもわからないし、なにかを探しているのかもわからない。 小学生の卒業文集に、旅は目的地に着くことよりもプロセスが大

      • エピソードトークのためのセックス?

        「もう性欲じゃなくてエピソードトークのためでしかねぇわ」って、隣から聞こえる。セックスも不貞のセックスもセフレの数を増やすことも、タップルに課金して合コンしまくることも、そうらしい。 「エピソードトークのため」を成立させるのは、並列的な人間関係に重きを置くからだ。彼らは文脈が違えばシリアスに良い友人関係を育む人たちでありうる。 エピソードトークとは娯楽的な物語をすることと、なんらかの意味でヒーローになることだろう。つまるところ、生活は娯楽的物語ではなくて、誰もヒーローでは

        • 左にタグ付けされた人生

          労働中、お昼休みの開始時間は一応12時というが、そうしっかりとは始まらない。いつもタスクを終えて他の人が丁度なんとか場を回せるようになった時から入る。1時間は今のところ確保されている。 労働場所内でお弁当などを食べてもいいのだが、喫煙所が近くにないし、労働から一旦は離れたいので外で食べている。 近くには薄汚れているがやや客は入っている中華屋とコンビニがある。たいてい中華屋でランチメニューを頼んで、コンビニで喫煙する。中華屋は妙に静かで、BGMがないからだろうが金魚のポンプ

        収束のそれにないこれ

          知らないでいたい

          暑い。普通の折り畳み傘を日傘にして使ってはみたが効果は薄く、少し良い日傘を買った。ipad充電用ケーブルが怪しい雰囲気なので、新しく買った。前に買った田山花袋『蒲団』を読んでいる。悪くない。 銭湯で売られているコーヒー牛乳はいつも適量だ。不思議である。 ふとガムを口から出して包紙でつつむ。手はそうしたいように、銀色のボールを作り上げる。これを歩きながらスマホを見ながらできる。同時にちらっと右手に視線をむけて、これは不思議だと考えられる。どこかの片隅で、あるいは中心で、この

          知らないでいたい