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流れるように辿り着いた場所


2023年、8月。住み慣れた土地、岐阜を離れて、海のある街に移り住むことにした。私のこれまでの人生の計画には、全く予想していない展開で、我ながら面白いなぁと思う。


ここでは、今までの生活が非日常に思えるほど、生活する人も、流れる時間も、景色もまるで違っていて。


例えば岐阜。朝は堤防から陽が昇り、すれ違うご近所さんには「おはよう」と挨拶をするのが日課だった。夏になると、夜にはそこらじゅうの田んぼからカエルの大合唱が聞こえて、冷たい風が窓から吹き込む。

かたや、新しく暮らす場所は海の近くで。堤防はなく、朝6時には犬の散歩に海辺を歩く人達や、浜辺のごみ拾いをする老夫婦の姿。夜にはカエルの鳴き声もなく、海風が近くの木の葉をゆする音が聞こえてくる。

同じ日本で、同じ時間。

なのに、こんなにも暮らす場所によって違うんだと、anotherworldに来たような、まだ不思議な感覚でいる。

まだ、知り合いもいないこの場所で、どんな暮らしが始まるのか。どんな人との出会いがあって、どんな自分と出会うのか。

その暮らしの中での変化や、気付きや、出会いについて、徒然なるままに、記録として綴っていこうと思う。



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