インターネット動画広告のこれまで

動画広告の初期から現在に至るまでの変遷をざっくりとまとめました。

1. 登場時期

Google Adwordsで動画広告が登場したのは2006年の事です。

2011-2012年ごろに登場とデジタルマーケティングラボの記事にありますが、日本で普及し始めたのはその頃です。
個人的にもその頃からYouTubeのTrueView広告などを中心としたインストリーム動画広告や、DSPなどのバナー広告の広告枠に第三者配信を利用したリッチ広告としての動画広告を扱い始めました。

2. 分類の変遷

上述の記事内には動画広告を「インストリーム広告」「インバナー広告」「インリード広告」として3種類挙げていますが、だんだんと整理され、大きくインストリーム広告、アウトストリーム広告の2種類として分類されるようになりました。
ざっくりというと、インストリームは動画プレイヤー内に流れる動画広告、アウトストリーム広告は動画プレイヤーではない箇所で流れる動画広告と区別されるようになりました。

インストリーム広告
インバナー広告/インリード広告

2020年代に入り、フローティングプレイヤーと呼ばれるブラウザ内の主に右下のスペースに小さくポップアップさせるプレイヤーが登場し、更にこのプレイヤーに広告タグを結びつけることでインストリーム広告を流せるようになり、急拡大しました。
動画プレイヤーの動画コンテンツ内で広告が配信されるため、先の分類でいうインストリーム広告として区分されたのです。
これにより一部メディア、サービスベンダーで急激に売り上げが伸長しました。このフローティングプレイヤーの拡大に伴い、騒動に発展します。それが以下の記事です。

「Googleの動画広告」と聞けばYouTubeの動画を視聴する際に表示される広告が思い浮かぶ人も多いはずですが、Googleは自社以外のウェブサイト上でもGoogle 動画パートナーというプログラムを通じて動画広告を配信しています。
Googleは動画パートナープログラムを通じて、YouTubeに配信されている動画広告をYouTube以外のウェブサイト上にも表示しています。Googleは広告主に対し、「広告は高品質なウェブサイト上に、ページのメインとなる動画コンテンツの前に、音声がオンになった状態で表示され、ブランドが料金を支払うのはスキップされず視聴された広告のみ」と約束していたとのこと。
ところが、Adalyticsが2020年~2023年にかけてGoogle広告を利用した1100のブランドを対象に行った調査では、企業が支払った動画広告予算の約50%が、Googleが約束した基準を満たしていない外部サイトに対して配信されていたことが明らかになりました。

https://gigazine.net/news/20230628-google-violated-deals-chatbot-generated-blogs/

つまり広告主は、YouTubeを始めとした動画コンテンツを主としたページの動画ストリーム内で配信される広告をインストリームと認識していたのですが、実際にはミュート状態で右下に出る小さなプレイヤーで配信されていたということに対して異議を唱えたのです。
また、それに前後してIABより動画フォーマットの規格変更についてアナウンスされました。

これらの出来事により、フローティングプレイヤーの位置付けは基本的にインストリームではなくなる事となりました。


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