妄想邪馬台国(10) 倭人の役職を見る

 奴をノと呼んでもナと呼んでもそんなに意味が変わらない。ナ→西日本で土地を意味する。ノ→信濃(科野)、美濃、毛野のノ

 対馬と壱岐の役職。

 長:卑狗(ヒコ)は、彦だろう。ヒ(尊い)コ(男子) それっぽい訳だと当主かな?女性だとヒメ(媛)

 副:卑奴母離(ヒノモリ) 夷守(ひなもり)説が強いが、これは後代に統合された可能性がある。この時代は、ヒの守。ヒの代理で次官と言う意味(この時代の助詞「の」が「の」か分からないので断定出来ない)

 長は祭祀を行い、副は実務を担当したと考えるべきか?

 伊都

 長:爾支 (ニィキ)

 副:泄謨觚柄渠觚 (シェムォクォピョンキョクォ)

 毎回、日本語の気がしない。「爾」は[ɲʑi]と言う意味不明の音だ。あまりに発音しづらい音。北京語では、爾は[er]で同じ字母を持つ日は[ri] になる。痕跡すら残っていない(この変化は音声学で説明できるけど話が完全に逸れるのでやらない)

 音写する際に「爾」を取らないといけない理由があったとしか考えられない。もしかするとアイヌ語みたいに日本語と違う系統の言葉が九州にあった時代の名残かもしれないし、任那人の交易拠点だのかも知れない(新羅語とは匂いが違う)。

 単に訛りが酷すぎたとも考えられる。

 訛り説を取るとニキとシマコ、ヒココとも読める。

 ニキはヒコと同義と考えるべきか?シマコは島+コ?ヒココはヒコのコか?伊都国の領内に島があったのだろう。

長:兕馬觚 ジマコ シマ+コ(男子)で、島長を意味するのだろうか?金印が出たのは志賀島。

副:卑奴母離

不彌

長:多模 タモ 長官を意味する単語だろうが字義が分からない。長官を意味するだろうと言うのは副官が卑奴母離だから。タモもヒの一種だ。タマと同義とする説があった。

副:卑奴母離

投馬

長:彌彌 ミミ 記紀に出てくる耳に通じそう。ヒコを世俗的な長だとすると宗教的な長の意味合いが強そう。ミミは出雲圏や近畿圏に多く、九州には少ないみたい。

 例:神八井耳(神武天皇の皇子)、神沼河耳(綏靖天皇)、天忍穗耳(アマテラスの子)

副:彌彌那利 ミミナリ ミミのモリかミミ成りでミミナリか?これも次官を意味しそう。

狗奴

 狗古智卑狗 ココチヒコ 彦系の名称なのだろうがココチの意味が分からない。

邪馬壹

 官:伊支馬 イキマ

 次:彌馬升 ミマセ

 三:彌馬獲支 ミマガキ

 四:奴佳鞮 ノカイテ 文ノ書き手とか

 さっぱり意味分からない。ヤマト系の職名ではないので、記録に残っていない系統(コシやアズマ)だと考えないとすんなり解決しなさそう(九州勢はヒコ系が多い)ただ律令の四等官ぽい。

以下は、音写ではなく意訳か?

 大倭 ダイワ 魏の司隷校尉に比したか? これは大委の誤字の可能性が高い。(徴税などを)委ねた長官。

 一 大率 ダイソツ(一を定員とみる) 魏の刺史に比したか?

 大率は兵隊を率いる長官。と読み取れる。日本語ではなさそう。

乃共立一女子為王 名日卑弥呼 事鬼道能惑衆 年已長大 無夫婿 有男弟 佐治國

 ちなみ、この制度は奄美や沖縄で見られる女性が宗教的な長で、その兄弟が政治的な長につくやつで、記紀では土蜘蛛がその残滓だと思われる。

 しかし有男弟の名前がなく、女王の卑弥呼が全面に出てくるのは何か意図が隠されていそう。

 女王が立つ国は、腐れ儒教では野蛮の意味を持つ。ここまで、倭国は野蛮な韓人と違い、倭人は教化されていると散々持ち上げていた陳寿がこの部分をそのまま残したのにも何かしらの意図がありそう。

 例えば、魏略には以下の文章があるが、魏志倭人伝では削除されている。

魏略曰 其俗不知正歳四節 但計春耕秋収 為年紀

 意訳:倭には暦と言うものがない(野蛮と言う意味)。

 あくまで女王を強調し、男王の存在を意図的に隠すのには何かしら意味があると思われる。邪馬台国の都合か、魏の都合かは分からない。

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