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クリエート・ウォーターで作った紅茶は不味い(小説のおまけ)

そのチートは不味い

 第三章では、クリエート・ウォーターで作った紅茶は不味いと言う話をしているがその実験結果。クリエート・ウォーターは紅茶に関するチートでたまに出てくるのだが、そのチートは不味いと言う実証実験である。

※ この実験方法は、個人の味覚や調子に左右されるので科学的な実験とは言いがたいことを先に書いておく。

 今回は4種類の水を用意。

  • 日本薬局方 精製水 硬度0?

  • クリスタルガイザー 硬度38

  • 水道水 硬度50-100(推定値)

  • エビアン 硬度304

 注射用の方がより良いらしいが高いし普通に売っていないので薬局で買ってきた精製水を使う。ちなみ500ml 100円。大体コンタクトレンズコーナーで見つかる。今回の実験に於いてクリエイト・ウォーターに該当するのが精製水。その理由は水属性のウォーターに土属性のミネラルは入っていないから。特にマグネシウムやカルシウムは、アルカリ土類金属呼ばれており、要するに土属性なのだ(説明が雑)なお精製水は、飲料用ではないのでちゃんと煮沸して、そのまま飲まないこと(余計な不純物が溶け込みやすいから)

 硬度0の精製水は、濾過、濾過、蒸溜、濾過、滅菌と言う工程を通るのだがシリカを完全に除去するのは難しく微量に残っているらしい。

PHについて

 PHは基本的に硬度が高いほどアルカリにふれ、低いほど酸性に触れる。これは二酸化炭素が水に溶け込むと酸性に触れるからである。しかし、硬度が低いにもかかわらず弱アルカリの水がある。この場合、カリウムやナトリウムを多く含んでいるケースが多い。理由は簡単で、硬度がマグネシウムとカルシウムの含有量から計算され、カリウムやナトリウムがカウントされないから。

試験の順序

  1. 開封直後の水のPH測定

  2. 電気ケトルに水を注ぐ(このとき空気を混ぜる)200ml程度

  3. 沸騰させた水をすぐ140mlほど取り出し、カップにいれたティーバッグに熱湯を注ぎ抽出2分、カップには蓋をする(ケースに書いてある通りいれている)

  4. ティーバッグは素早く取り出し、かき混ぜない(やや薄めにでるはず)

  5. 抽出液(紅茶)のPHと色味、味のお測定   

 匂いは確認していない(鼻づまり気味だから)

 なおガチテストする場合は、中国茶種のキーマンあたりを入手した方が良いだろう。インド種自体が19世紀の代物で、中国紅茶と品種が違う。さらにいうと以前はイギリスでも緑茶を飲んでいた説があるので中国緑茶でも良いかも知れない。

 ロンドンの水の硬度が220ぐらいだが、硬水用の茶葉どころか軟水用の茶葉も手に入らなかったのでダージリンのティーバッグでテスト。日本向けの茶葉は、ほんとど軟水にあわせて調整してあると思われるので、硬水用の紅茶は専門店でも手に入りにくいかも(イギリスは軟水地域と硬水地域があるので両方手に入るらしい)

 この実験の問題はティーバッグだと出過ぎてしまう点。出過ぎると言うことは出にくい環境で紅茶の味を味を上手に抽出する実験ではなく、素で注いだ場合の味の確認だけになってしまう。香りなにそれ?そのため、ちゃんとした茶葉でも実験したいところ(だが面倒)

精製水

 まず200ml取るのが大変。そういえば医薬用で200mlも一度に使わないし、すぐ使いきるものでもないからドボドボ出てきたら不味い。無理矢理抽出すること200ml。この段階で、空気が少し混じるっているはずだが二度ほど高所からたたき込み、さらに空気を混ぜ込んでから沸騰(この作業をしないと更に不味いものが出来た可能性)

 開封後 PH6.0-6.5(二酸化炭素が溶け込んでいると思われる)
 抽出液 PH5 (紅茶のPHは5.5とされているので少し酸性より)
 色: 意外に出ている。一般的に硬水の方が色が濃く出るが、予想より濃かった。ダージリンと言ってもティーバッグだからか。見た目は一番良さそう。

精製水

 味:全体的に味が薄い。苦みを熱湯で割ったような味。甘味も渋みもコクも無い。悪役令嬢でなくても淹れたヤツに叩きつけたくなる。淹れたの俺だけど。ミルクで割ると一応飲めるが、カップ一杯分の紅茶にカップ一杯分のミルクをいれる必要あり。砂糖は入れても駄目な気がする。後、なんとなくカフェインが多く抽出されている気がする。

 ティーバッグに近い部分はとにかく苦い。ヤバイぐらい苦いが吐き出すほどではない。少なくとも飲み物では無い。不味い以前の問題。

 結論。クリエイト・ウォーターで作った紅茶はものすごく不味い。

 ただの不味いではすまなかった。カフェイン抽出実験には使えるかもしれない。ビーカーで煮出す用途向きだろう。

 これ以上実験しなくて良い気がしたが比較しないと意味ないから(茶葉が駄目な可能性もある)ので実験を続ける。

クリスタルガイザー

 軽快な味がするのクリスタルガイザー。癖が無く飲みやすい水(個人の感想)取りあえず空気を含ませる。紅茶用としてはやや硬度が足りないと思われる。これも二回ほど高所からたたき込み空気を含ませておく。

開封後 PH6.0-6.5(やや酸性)
抽出液 PH5.5
色:クリエイト・ウォーター精製水にくらべると濃く出ている。ただ撮影時間と機材が違うので参考。ついでにぼやけている。

クリスタルガイザー

 味:苦味がやや強く出ている。渋みと旨味が出ているのでストレート無糖でもギリギリ飲める。砂糖をいれると丁度良いと考えられる(ミルクはお好み)

 結論。無理に使う必要は無い。恐らく水道水で十分。しかし、このティーバッグのダージリン、2分にしては出すぎている気もする。

水道水

 水道水はくみ置きせず、蛇口を捻ったものをそのまま使う。これは紅茶を入れる時の鉄則なのでそれにあわせる。なお、水道水のPHや硬度は日により変動する。

 PH 6.0-8.0(やや酸性) 水道水のPHは日により変動するが今日はPH6.5
 抽出液 PH6.0 抽出液のPHがあまり酸性に触れない理由だが、水道水はカルキが入っているので、それが抜けたからと考えられる。
 色 普通の紅茶の色。クリスタルガイザーより色が薄く出ている気がする。

水道水

 味 渋みにくらべると苦味がやや勝っている感じがするが、苦味自体は強くない。ストーレート向きの味で、砂糖を一杯入れると丁度良い感じ。色がやや濃いのでレモンティーにも向くかも。

 水道水は日により差が出るので参考。

エビアン

開封後 PH7.5-8.0(ややアルカリ性)
抽出液 PH6.0
色 一番濃く出ている。なんか撮影条件の問題でiPadが映り込んでいるけど。ここまで行くとblack teaと呼ばれるのも分からなくはない。

エビアン

味 苦味が弱いが代わりに渋みが強くストレートで飲むのはやや厳しい。イギリス流のミルクと砂糖を入れる飲み方が会いそう。

まとめ

 クリエイト・ウォーターで作った紅茶はものすごく不味い。日本で売っている紅茶は日本の水道水に合わせているので水道水を使うのが一番良い。どうしてもミネラルウォーターを使いたいなら硬度100ぐらいが良さそう。

今回の検証では、

硬度低い 苦味が強い
硬度高い 渋みが強い

 になった。硬度が高いと苦味が弱くなるのはミネラルと苦味成分が結合したぶん苦味が減るからと考えられている。

 今回は、ストーレート向きのダージリンを使ったが他の茶葉だと結果が変わりそう。

#紅茶 #なろう系考察 #大人の自由研究  #夏の自由研究

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