リファラル採用で転職活動してみた
本記事は、ミテモで活躍する小田川仁さんの個人ブログ「泳ぐオダジン放送局」からの転載です。
ミテモに2019年1月に入社された小田川さん。ご自身の手による転職プロセスの記事は、小田川さんの人となりを伝えるのにピッタリなものです。ミテモのメンバーの魅力をお伝えするミテモ HOMEROOMとして、取り上げさせてもらうことにしました。
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【読了時間: 12分】
(文字数: 5,300文字)
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(以下、本文)
今日(*編注: 2019年1月4日のブログです)は新しい仕事先の初出社でした。昨日のエントリー(*1)で前職を退職するにあたってのあれこれを書きました。今日は「新天地(転職先)を決めるにあたってのあれこれ」について書きます。長くなったので目次から。
《目次》
■ リファラル採用とは
■ リファラル採用でどんな風に転職活動をしてきたのか
1. 退職の意向を先に職場に伝える
2. 友人・知人に退職することと転職先を紹介してほしいことを伝える
3. 実際に紹介してもらう
4. 直接会って話してみる、一緒に何かやってみる
5. 応募の意思表示して選考してもらう(条件すり合わせ・双方合意)
■ 転職活動のやり方に正解はない、自分の望む形を考えて決める
■ 転職活動!と力まず、普段から外を知り、繋がりを作っておく
リファラル採用とは
本題に入る前にタイトルについて、少しだけ解説します。
リファラル採用は自社の社員から友人・知人を紹介してもらって採用するケースを指します。社員紹介のような言い方が多いかもしれません。
「リファラル採用」と検索すると、「どうやって人を採用するか」という人事側の視点で書かれていることがたくさん出てきますが、「どうやって採用してもらうか(転職したか)」という転職者側の視点でリファラル採用について書かれていることが少ないので、書いてみることにしました。
編注: 小田川さんは写真右
リファラル採用でどんな風に転職活動をしてきたのか
あくまでも私のケースです。これが一般的なケースではありませんのであしからず。企業側もリファラル採用の取り組み方が違うので様々なケースが存在します。
1. 退職の意向を先に職場に伝える
転職先が決まってから退職の意向を職場に伝えることが多いと思いますが、私の場合は先に職場(上長とレポートライン上の人たち、職場の人たち)に退職の意向を伝えました。
リファラル採用は友人・知人に転職先を紹介してもらうため、自分が退職する話を広めていくことになります。広めていく中で、どこで誰からどんな風に伝わっていくか、自分が感知できないような状態(自分の友人・知人からさらにその先先と広がっていく)になるかもしれないと考えました。
考えすぎ!と思うかもしれませんが、私は15年お世話になった職場に対する恩を強く感じていたので、どういう退職の仕方が職場にとっても自分にとっても良い形なのかを考えました。
友人・知人に退職することを伝えたことが回り回って職場の人たちに伝わったとしたら、職場の人たちがどう思うかな?と考えたら、それは自分の望む退職の仕方ではないなと思いました。
実際、退職する時期や後任への引き継ぎなどを上司と話し合う中で、お互いの納得感は作れたのではないかなと思っています。
2. 友人・知人に退職することと転職先を紹介してほしいことを伝える
自分が参加している社外の活動で関わっている皆さんを中心に、退職理由や今後についての自分の考えを伝えた上で、今まさに転職先を探していること、自分の転職先として面白いところ(友人・知人の皆さんから見て私に合うと思うところ)があったら教えてほしいことを伝えました。
SNS上では公表せず、直接会った人にだけ伝えるようにしました。理由は、誰からどんな反応が来るかわからないことが怖かったからです。
前述のとおり、私は退職の意向を先に職場に伝えてから転職活動を始めたのですが、転職活動を始めた時期にはまだ自分の部署の人とレポートライン上の人と他数名にしか伝えていませんでした。
SNS上では職場の人たちもたくさん繋がっていたので、無用な混乱を生まないように、自分自身の今後を考えることに集中できるようにと思って、SNSでの拡散は避けました。
SNSで公表することもアリだと思います。実際にそうやって活動されている方もいらっしゃいました。
3. 実際に紹介してもらう
2018年6月頃から9月頃にかけて、私は5件紹介してもらいました。
1. 友人が自分の所属してる会社を紹介してくれた「うちの代表面白いから会ってみない?」
2. 友人が自分の所属してる会社を紹介してくれた「うちの仕事はオダジンさんに合うと思うんだよね!興味あったらその仕事してる人と話してみない?」
3. 友人が自分で経営してる会社を紹介してくれた「イベントやるから遊びに来て、なんなら手伝ってみない?」
4. 友人が自分の元同僚の勤めてる会社を紹介してくれた「◯◯のできる人を探してるらしいんだけど、興味あります?あれば一緒にご飯食べながら話しませんか?」
5. 友人と私のお互いが知ってる会社をすすめてくれた「◯◯はオダジンさんっぽいね!合う合う」
ちなみに公表したからといって、誰彼からも「うちの会社来ない?」と紹介が来るわけではありませんでした。私の場合だいたい50人くらいに話して、4社でした。(上記5社中の1社は既に自分も知っていたため除外)
私は、採用担当の頃に社員紹介制度の運用をしていたことと、自分の友人知人を2名紹介して入社しもらった経験もある身なので、リファラル採用について知っていましたが、一般的な転職の手段としてはナビサイトかエージェント経由での応募の方が圧倒的な認知度なんだろうなと思います。自社がリファラル採用をやっているか知らない人も多いのではないかなと。
知っていたとしても、自社の求人を紹介するかどうか?悩む人も多いのではないかなと思います。参考までに私自身が紹介したときの経験から感じたことはこんなことでした。
・自分の働いてる会社の良いも悪いもわかった上で、紹介したいと思えるかどうか(それを聞いて相手が入りたいと思うかどうか)
・紹介した相手の今後の人生にとって本当に良い選択になるのだろうか(相手の人生を左右しちゃうかもしれない怖さ)
・紹介した相手が良いと思ってくれても、不採用になっちゃったらどうしようか(会社は良いと思ってくれても、相手が辞退したらどうしようか)
・めでたく入社できたとして、実際に働き始めたらギャップが大きくてすぐに辞めることになったらどうしようか(相手にも会社にも申し訳ない)
・そもそも紹介した相手と同じ会社の人になる、職場の同僚になるってどうなんだろうか(お互いにやりづらさとか感じるんじゃないか)
そこまで深く考えてしまうということ自体、転職に対して気軽にするものではないというイメージが自分の中にあるんだろうなと思いました。採用手段もそうですが、そもそも一社で働き続けること、いろんな会社に移っていくこと、いろんな会社で働くことなど、働き方の多様さが一般的になると良いなと思ってます。
4. 直接会って話してみる、一緒に何かやってみる
リファラル採用の大きな特徴は、応募の意思表示をして採用選考プロセスに乗るかどうかを判断するための助走期間を得られることにあると思います。(説明会などは企業側へ個人情報を提供していることがほとんどのためここでは採用選考プロセスに乗っていることとします)
助走期間(応募の意思表示前)に私がやったのはこんなことです。
1. 友人と一緒に経営者に会ってざっくばらんに話す
2. 友人と一緒に募集部門の人と会ってざっくばらんに話す
3. 主催イベントに参加する
4. 主催イベントを手伝う、何かその場でちょっとやらせてもらう、企画からガッツリ関わってやらせてもらう
5. 社内ミーティングに参加させてもらう
会って話すと面接っぽくなってしまいがちですが、友人と一緒に会って話すことで面接っぽさは緩和できると思います。もちろんお互いがその場にどんな心持ちで臨むのかによりますが、私はお互いを知るための時間だと思って自分の話もしましたし、相手の話(会いに来てくれた人について&その会社のこと)をなるべくたくさん聞きました。友人に「どうして自分を紹介してくれたのか?」その場で質問して答えてもらったりもしました。1,2の順番はどちらでも良いと思いますが、可能であれば両方やっておいた方が良いと思います。
3のイベントへの参加は、もしイベントなどを開催することのある会社であれば必ず見に行った方が良いです。どんな風に運営しているのか、どんな人がどんなことを喋るのか、主催企業のことを見るのはもちろんですが、それらは採用説明会でも確認することができるため、それ以外のこんな部分を見ていました。
・どんな人が参加しているのか
・会場はどんな雰囲気なのか
・参加してる人たちは主催企業のことをどんな風に見ているのか
特にサービスを実際に利用している顧客や顧客候補が参加しているイベントは、自分も顧客側の立場で話せるので、生の評判を聞くことができます。
4,5は、純粋に「ちょっと手伝ってほしいな/手伝いましょうか」「いいですよ/お願いします」という関係性があったからこそ出来たことだと思います。
実際に活動していた時期に書いた記事のリンクを貼っておきます (*2)。
改めて書いてみて思いましたが、本当に周りの皆さんに恵まれていたなあと。感謝しかありません。ありがとうございます!
5. 応募の意思表示して選考してもらう(条件すり合わせ・双方合意)
ピンと来たら選考を受けたいという意思表示をします。そこからは会社によってフローが違うと思いますが、だいたいの場合、直接応募したケースと同じフローか、一部を省略した形で進めることが多いようです。
「4. 直接会って話してみる、一緒に何かやってみる」のタイミングで、誰とどこまでのやりとりをしているのか?にもよってくると思います。私の場合、実際に入社した会社とは、時間をかけていろいろお互いを知り合う期間があったこともあり、「条件面の希望」や「何をやりたい/何を期待しているのか」は選考フェーズに入る前に代表に伝えていたので、選考フェーズは以下のような段取りで進みました。
1.応募の意思を伝える
2.代表に面接してもらう(入社後に何をやりたいのかの確認、条件面のすり合わせ)
3.条件を提示してもらう
4.細かい部分を確認する
5.自分の中で決める
6.承諾の意思を伝える
面接は、どんな人なのか?どんな会社なのか?というマッチング部分は既に済ませていたので、条件面や入社後についての具体的な内容のすり合わせと私の意思確認でした。
転職活動のやり方に正解はない、自分の望む形を考えて決める
転職活動することを職場に先に伝えるべきか?SNSに書くのは是か非か?には正解はありません。
「行きたい会社」「就きたい仕事」「やりたいこと」を考えて決めることだけでなく、「どんな風に転職活動を行いたいのか、それは何故か」についても考えてみることをオススメします。転職活動もキャリアを形成する一部分として自分の望む形を決めることが大切なのかなと思います。
ちなみに私はリファラル採用だけに絞ったわけではなく、以下のような活動も並行していました。
・人材紹介のコンサルタントに会って話を聞いてもらって求人を紹介してもらう(希望する仕事の市場感や市場での自分のポジションがわかる)
・ナビサイトに登録してスカウトを待つ、面白そうなところを探す(Wantedlyは単純に面白くてかなり見ました)
・興味のあった会社の選考に直接応募する
結果的に今回はリファラル採用で決まりましたが、そうではない結果もあったと思います。
転職活動!と力まず、普段から外を知り、繋がりを作っておく
リファラル採用に限りませんが、普段からいろんな会社のこと(自分の属してる業界の内外問わず)を知る機会を作ったり、実際に中の人と会う機会を作ったりしておくことをオススメします。ちょっと興味あったらイベントに行ってみるとか、そこで知り合った人の会社のことを聞いてみるとか、日頃から隣の芝を知ると、自分の芝生の青さに気づくこともたくさんあります。
合わせて、自分のことを発信しておくこともオススメします。SNS などで発信するのはちょっと抵抗があるなと言う人は、イベントなどで出会った人と話すだけでも充分です。私はこんな会話をたくさんしました。
・自分はこんな人(仕事、生い立ち、好きなことなど)
・自分はこんなこと考えてる(相手の人との共通のテーマなど)
・今の会社はこんな会社(良いところ、悪いところ)
・なんで転職したいのか
・どんなことをやりたいのか
みたいなことは、語れば語るほどに自分の中でクリアになってきます。
そういう相手がいない!と言う人はお声かけください。気軽に話しましょう!
※追記
企業の人事側の視点でリファラル採用について書いてある記事としては、CRAZYの吉田さん(タニモクで同じテーブルだった!)のこちらの記事(*3)が参考になります。イベントの重要性はその通りだなと思うし、転職先を探してる人はとにかく気軽にイベントへ行ってみるのが良いと思います。
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(*1) 新卒で入って約15年働いた会社を退職した話 - 泳ぐオダジン放送局
(*2) イベントや仕事を一緒にやってみて見えるもの気づけること - 泳ぐオダジン放送局
(*3) “ ほぼ0円 ”で「97名」を採用した、CRAZY初代人事責任者の採用戦略とはー前編ー | 株式会社CRAZY(株式会社クレイジー) | CRAZY,Inc.
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本記事の転載元はこちらです。
著者: 小田川 仁(おだがわ ひとし)
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