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【中国語】『はじめよう中国語音読 初級編』(アスク出版) を薦める、誰も触れないたったひとつの理由

はじめに

こちらの教材が発売されて1年半ほど経ちました(発売: 2019年12月24日)。特に「中国語学習を始めて間もない~ある程度学習したが伸び悩んでいる層」にヒットしたのでしょう、アマゾンでの高評価や個人ブログでの紹介が絶えず、あちこちで推されています。

著者はおなじみ李軼倫先生。数々の中国語講座の講師を務め、他にニュース、CM、教材等のナレーションでも活躍されています。耳に心地よいシブめの低音ボイスが特徴です。


既出の高評価ポイント

とっつきやすいトピック (日常生活関連や日中文化比較)
ちょうどよい分量(字数: 80字前後/課、時間: 30秒前後/課)
ちょうどよい難易度(易しすぎず難しすぎず)
応用しやすい例文つき
わかりやすい動画解説つき
日本人が間違えやすい音へのアドバイスがある
チャンク(意味のかたまり)分けされている
通常スピードとゆっくりの2パターン+チャンクの音源がある

この辺りは本当にその通りなので改めて紹介はしません。
ただ、ぜひ知っていただきたい別のポイントがひとつあるのです。

教材の知られざるポイント

ズバリこちら。
「教材の音読音声のインターネット上への投稿が許可されている」
※例: Twitter、WeChat等

通常、著作権は著者もしくは出版社に帰属し、原稿(音声によるを含める)の無許可の投稿は著作権侵害となります。実際、許可申請しても断られることが多いです。しかし、『はじめよう中国語音読 初級編』は著者の李先生が学習者の音読音声の投稿を下記条件つきで許可してくださっています。

条件① 原稿(文字情報)は掲載しない
条件② 書誌情報書名、著者名、出版社名、出版年)を毎回クレジットする
※『はじめよう中国語音読 中級編』もOKです。

というわけで、例えば私はTwitterに投稿しているのですが、以下の手順で行っています。

手順① 書影静止画と音読録音ファイルをウェブサービスで合成し動画作成
手順② 文面に書誌情報(書名、著者名、出版社名)をクレジット
    ※出版年を記載していませんでした。次回より記載します。
手順③ 1&2にひとこと付け加えてTwitterに投稿

参考までに私のTwitterの投稿です。

李先生は許可してくださっているどころか「自著で音読練習をしてくれるのは嬉しい」とまでおっしゃっています。以下は2020年7月30日に発売された『はじめよう中国語音読 中級編』の冒頭「はじめに」にある李先生のお言葉です。

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実際、以下のハッシュタグでTwitter検索すると『はじめよう中国語音読』を使用した皆さんの音読投稿が見られます。

#はじめよう中国語音読
#たまに音読
#毎日音読
#語学は晒して伸ばす

いかがですか?結構出てきませんか?ありますよね?
もう一度ポイントを言います。

「教材の音読音声のネット上への投稿が許可されている」

たったひとつの理由とはこちらのことだったのですが、実は本当に伝えたかったのは「インターネット上に音読音声を投稿する」ことで得られるメリットです。3つ紹介したいと思います。
(…まだ続きます。ごめんなさい!)

3つのメリット

メリット① 仲間が多いので励みになる
冒頭で紹介したように評判のよい教材なので所有率が高いです。とある音読会では半分以上の参加者がこちらの教材から音読発表されていました。同じ教材を使っている学習者さんがいると励みになりますよね。そればかりか、時には李先生やアスク出版さんからリアクションやコメントをいただくこもあるのです!
(李先生にお会いしたら教材にサインをいただこうと思っている人は多いと思います。かくいう私も…笑)

メリット②  自分以外の音声を聞くことで復習・予習になる
Twitter等でたくさんの投稿が見られるということは教材に触れる頻度が自然と多くなり、結果として復習・予習になります。例えば学習済の課であれば仲間の音読音声のみを聞いて内容が理解できるか確認する、つまりリスニングの練習になります。一方、未習の課であれば現時点でどれくらい聞き取れるかの力試しになるでしょう。知らないうちに何周分かの量をこなしているはずです。

メリット③ 客観的に発音を聞くことができる
人間、他人の行いはよく見えるもの。発音に関しても例外ではなく、人の間違いはよく気がつきます。「お前の発音だって!って言われそうやから言わんとこ」…などと思う必要はありません。それは一時的に棚に上げてもいいのです。ニュートラルな気持ちで、どの音がどのように違和感を感じるか、何が原因で違和感があるのかを考え、口も動かしてみましょう。発音指導の先生のアドバイスがあれば情報をストックしましょう。そして自分も同じ間違いをしていないか確認し、していたら修正作業をしましょう。「人の振り見て我が振り直せ」です。逆に、素晴らしい発音に対しては素直に「その有気音参りました!ください!」などと惜しみない称賛を送りましょう。

おわりに

「インターネット上への音読音声の投稿」という行為自体は新しくはありません。実は元々はとある中国語学習者さんが著作権切れの(主に現地の文学)作品の音読音声を投稿されていました。こちらの方です。

当時、しょしさんは著作権切れの作品だけでなく著作権が残っていてる作品にも許可申請をしてくださったのです。その流れで李先生から晴れて許可が得られ、このムーブメントが起きました。今では音読音声の投稿を許可している教材(他言語を含む)をちらほら見かけるようになりましたが、こちらの教材が少なくとも中国語界隈では先駆けのはずです。

というわけで、しょしさんの熱意と行動力、そして李先生とアスク出版さんの寛大なご対応に感謝の念が絶えません。と同時に「いまどきの学習法だな」としみじみ感じています。

それではSOL!(素敵な音読ライフを!)
最後までお読みいただきありがとうございました。

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