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ライフキャリアレインボー

中小企業診断士の会合で先輩診断士に紹介していただいた「ライフキャリアレインボー」という概念が面白いと感じたので記事にさせていただきます。

40代の私は「ライフキャリアレインボー」という言葉を聞いたことがなかったのですが、もしかすると若い世代の方にはなじみがあるのかもしれません。

中小企業診断士と一口にいっても様々な経歴やキャリアを持っています。そして、普段は接することのない職種や業種の異なる様々な方の話を聞けるというのが診断士の会合に参加するメリットだと常々思っています。

とある会合で人事部門を経験をされた先輩診断士の話に登場したのが「ライフキャリアレインボー」という言葉でした。
『一般的に「キャリア」というときには職業や技能の経験という意味で使われるが、仕事のキャリアはライフキャリアの一部に過ぎない』といった趣旨の説明に併せて、ドナルド・E・スーパー氏が提唱した考え方である「ライフキャリアレインボー」を紹介していただきました。
この世に生まれて誰かの子どもとして歩むキャリア、学生としてのキャリア、趣味、遊び、地域活動などなど、仕事に囚われないキャリアの考え方で、多様なキャリアが積み重なっていく様子を虹にたとえているそうです。

ライフキャリアレインボー

出典:文部科学省『高校生のライフプランニング』

多層を表現したいだけなら地層や年輪などでも表現できそうなものですが「虹」をモデルにしているところに面白さを感じました。
虹に例えることで「未来への架け橋」といったポジティブなイメージを与える効果を狙っているのかもしれません。
ドナルド・E・スーパー氏の原著を読んでいないので、どこまで著者の真意とあっているかはわかりませんが、虹の色が明確に分けれるわけではなく色と色の境界が曖昧なところがミソではないのかと考えています。

日本では虹といえば七色(紫、藍、青、緑、黄、橙、赤)が一般的です。便宜上7色としているものの実際には無数の色で構成されています。世界的には2色だとする民族から8色で表現する部族まで国や地域が異なれば見え方や表現が違います。

職業人としてのキャリアを1つの色、たとえば黄色で表現することもできます。ですが、昇進、転職、独立、副業などの職種や務め先の違いに合わせて「橙色に近い黄色」や「緑寄りの黄色」といった層に細分化しても良いかもしれません。

中小企業診断士に目を向けてみると、診断士活動を独立した1つの色で表現する人もいれば、仕事、地域活動、趣味などの色層に含める人がいるかもしれません。
例えば、noteの記事を書くという執筆活動は、診断士としての活動ですが、企業人としての能力向上につながっているかもしれませんし、それらとは全く関係ない繋がりを生むかもしれません。ヒトの活動は明確に層に分けれるものではないのかもしれません。そのような意味でも色の境界が曖昧な虹という表現が秀逸に思えます。

話は変わりますが、記事を書くにあたってWEB検索をしていて知ったのですが、最近では文部科学省主導で高校生への進路指導に「ライフキャリアの虹」が取り入れられているようです。きっと今の10代や20代の方がライフキャリアに対する考え方がしっかりしているのでしょう。2022年度からは高校生への投資教育もスタートするそうです。

私自身が人生の中間にさしかかり、虹の話を先輩診断士から教えていただいたように、何かしら次の世代に伝えてあげられるものはあるのだろうか。などと考えることがあります。ですが実際には若い世代から学ぶことの方が多いように思います。

ヒト様の役に立つような経験を積めるかわかりませんが、後半も彩が増える人生を目指したいと思います。

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