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維新は、自民党の補完勢力となり得るか!? 『自民党崩壊』 乾正人(いぬいまさと) ビジネス社


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(3月20日記)

テーマは、「自民党の危機の現状と、維新が代替できうるのか、維新の歴史を追いつつ考える」でした。

冒頭、安倍派パーティー券不記載問題は、安倍さんが首相の時、黒川東京高検検事長の任期を延長して、検事総長にしようとしたことにつき、検察庁が怒っていたため、と述べていますが、全く違います。
こんなことも知らないのか、と著者の見識に疑問符が付きますが、産経の人でも、退職した石橋文登いしばしふみとさん、現職の阿比留瑠比あびるるいさんと異なり、この人の知見は、表層に流されているので、注意しなければなりません。

黒川の件は、安倍さん、菅さんではなく、当時の法務省事務次官が、人員確保のため、2年前の「検察官の定年延長」で決定していたことを実行したまでで、安倍さんは黒川とは親しくありませんでした。
それより、黒川のライバルだった林真琴まこと、のちの検事総長と親しかったのです。
黒川が賭けマージャンで辞職し、林総長となりました。

あの時、真相も知らない連中が、ハッシュタグを付けて、この件をもとに安倍さんを糾弾していましたが、安倍さん自身、「えっ、なんで?」の案件でした。
あの小泉今日子が先頭になって、当時のツイッターで安倍さん批判をしていましたが、何も知らない癖に、愚かな、黙っとけ!と見ていたものです。
ファンの人がいたら申し訳ないですが、あのようにツイッターで批判するなら、よくよく調べた上でやらねばなりません。
おまけに、この小泉、共産党の機関紙『赤旗』にまで出て、安倍さん批判をしていて、無知過ぎる、と軽蔑しています。

検察が安倍派を叩いたのは、その前に河井かわい元法相の事件で、強圧的な取り調べをしていたことを、メディアで糾弾されていた件を隠すためと、その目的で政治家を攻めれば方向は変わる、と読んだからです。
だから、朝日に逐次、リークして報道させたのでした。今の検察、まともではなくなっています。
朝日は安倍派の議員には裏金、岸田派の議員には「不記載」と報じて使い分けていたのです。なんと卑劣な報じ方でしょうか。

目次の一部を、ざっと紹介すると、

三度目の下野げやを余儀なくされる自民党
安倍なき日本の混迷
薄すぎた罪の意識
かつてない保守の危機
維新派救世主たりうるか
予断許さぬ次期衆院選
三度死んだ維新
代表・石原慎太郎、代表代行・橋下徹はしもととおる
国政復帰へ、石原の執念
2012年12月の総選挙での大躍進
生みの親は自民党
始まりは16年前の大阪府知事選
堺屋太一が橋下を発掘
180万票を集めての圧勝
松井一郎のツッパリ魂に火がついた
最初の死と橋下退場
石原慎太郎とたもと分《わ》かつ
幻の安倍党首構想
月一で大阪に来ていた菅 安倍、菅、橋下、松井の四者会談
なぜ関西で維新は強いのか
自民党は未来永劫えいごう勝てない
清和せいわ会の栄光と悲劇
傍流ぼうりゅうだった清和会
のこされた者たち
第二自民党、天下を狙う
立民はいらない
玉よりも石多し
維新八策とは何か
最大のネックは大阪・関西万博
どこへ行く維新
藤田幹事長インタビュー

などとなっています。

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