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現代にバカ売れする付加価値とは何か!? 『高くてもバカ売れ!なんで?』 川上徹也(てつや) SB新書


(6月29日記)

本書のテーマは、「価格が高くても、よく売れる商品いろいろと、売れる理由をマーケティングの面から分析する」でした。
非常に興味深く、かつ面白い本でした。

サブタイトルには、

「インフレ時代でも売れる7の鉄則」
「イチゴ1粒を1000円で売る方法を考えなさい」
「100以上の成功事例とアイデアが満載!」

とあり、企画を考える人、販売する人にとっては、貴重な一冊になるでしょう。

目次の一部を、ざっと紹介すると、

なぜ、コロナ禍に「リップモンスター」はバカ売れしたのか?
気分がアガれば商品は売れる
なぜか気分がアガるシェアラウンジ
ヌン活は、なぜ、アガるのか?
オトコも下着でアゲたい
沸き上がる泡が気分をアゲて大ヒット
定番のお菓子が「アガるお菓子」に
劇場型ハンバーグはシズル感で気分をアゲる
マイクパフォーマンスで気分をアゲる
1粒1000円のイチゴが誕生した訳
1粒の飴を4000円で売る方法
チープなイメージの線香花火を贈答品にする
自分メンテナンス
親しみやすいヤクルトから大人向けのヤクルトへ
乳酸菌で免疫ケアして自己防衛
寝ている間に美しくなる?
爆睡できるナイトウェア
インスタントでもバランスの整った栄養を!
白湯さゆという言葉をパッケージに入れてヒット
はやい、うまい、カラダにいい冷凍牛丼
シャワーで自分のカラダをメンテナンス
プチ贅沢ぜいたく褒美ほうび
1人6500円の映画館、あなたは行きますか?
タクシーにもプチ贅沢の波が
定番のお菓子がプチプレミアム化で大ヒット
コンビニゴディバで小さなラグジュアリー体験
応援消費
推しの誕生日を祝うセンイル広告
未利用真珠を金魚真珠に
レトロエモい
昭和のかおりがするレトロ家電が大ヒット
令和の今、なぜ、レコードプレーヤーが売れるのか?
「平成レトロ」なエコでエモい文房具がヒットの予感
ガチニッチ
YouTubeによってバカ売れしたガラスペン
ガチ中華が東京各地に増殖中
6930円のガチ爪切りが大人気
酷暑でガチ日傘が高くてもバカ売れ
今すぐ価格の壁を打ち破るための7原則

などとなっていました。

「アゲる」というのは気分を昂揚こうようさせること、ワクワクさせることです。

最初は、口紅のリップモンスター、名前からして、「おおおっ!!」です。
カネボウ化粧品が展開する「KATEケイト」が2021年5月に売り出し、大ヒットしています。
2023年10月31日までで1700万本を超え、新色が出る度に注目を集めているそうです。
マスクに口紅がつきにくいというのが「機能面」でのセールスポイント、「ウリ」でした。
これは、わかります。私は、マスクをしている期間、女性の口紅はどうしているのか、?でしたから。

機能以上に、消費者の感情を大きく動かしたことがヒットの要因と述べていました。
カラーバリエーションが豊富、ネーミングも個性的で購入が楽しいという声があがっています。
たしかに、このネーミング、コスメには珍しい「モンスター」を使っています。
ドラッグストアでも品薄状態なので、見つけると、「あった!」と喜んで買ってしまうそうです。
うーむ、まるっきり、企業の戦略にどっぷりハマっていますが、本人が良ければいいでしょう。
モンスターか……私も「モンスター大和」に変えようかな。

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