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もっと公正公平に叙述できなかったのか、安倍さんの偉業を! 『安倍晋三公式副読本 安倍元首相が語らなかった本当のこと』 中央公論新社


(9月15日記)

テーマは、「安倍晋三回顧録で語らなかった本当のこと、回顧録にまつわるエピソード」でした。
編集は中央公論新社のノンフィクション編集部ですが、率直に言って、「なんとヘボな連中だろう」です。
この人たちは、反安倍の人にもインタビューして、一見、公正公平を期したつもりでしょうが、それらのインタビュー、嘘と歪曲だらけで、よくこんなものを載せたなと、その調査能力と見識の低さに呆れてしまいました。

目次の一部をざっと紹介すると、

秘話
谷内正太郎やちしょうたろう覚書の全貌と北方領土交渉
黒川検事長問題、森友100万円授受の真相
私はジョーカーではなく、ハートのエース
敵と見なされても発言し続ける
対立の岸と融和の池田 一人二役をめざしていた
研究者の分析
かすみせきより
厚労省と官邸の闘いではない
安倍晋三とは
憲政史上最長の軌跡
安倍晋三回顧録を点検する
強敵安倍晋三を語る
外交スピーチライターは回顧録をどう読んだか

などとなっていました。

まず、こんな輩は自己宣伝と批判しかしない、それも嘘がベースという醜い人を選んでいます。小池百合子、石破いしば茂、元財務官僚、政治学者の中北浩爾こうじ御厨貴みくりやたかし、前原誠司、辻元清美など、全く不要のデタラメばかりの愚昧ぐまいな連中です。

まともなのは、谷内さん、谷垣禎一たにがきさだかず塩崎泰久しおざきやすひさすがさん、北村滋きたむらしげる、谷口智彦、各氏でした。

第二次安倍政権のスタートは2012(平成24)年12月26日でした。
悪夢の民主党政権が、日米同盟、外交、為替、経済、国防をガタガタにした中でのスタートでした。

谷内さんは、再々書いてきたように、外務省の事務次官出身者として珍しい愛国者、国士です。
日本の国益を真剣に考えてきた本物のプロ外交官であり、正直かつ誠実一途の傑物でした。
この人が、安倍さんの宿願だった国家安全保障局設立後、初代の局長として政権後半まで大車輪の活躍をしました。
何よりも、政権発足時、安倍政権が目指すべきものを「谷内正太郎覚書」として安倍さんに出したのです。
それには、

憲法改正
集団的自衛権の憲法解釈の変更
海洋国家のネットワーク構築
TPP

などがありました。
他にもいろいろあるのは、本書を見て下さい。

そのために政治のウイングを左サイド、左派にも広げる必要がある、

経済再生
長期安定政権の実現
近隣諸国との関係改善
戦略的外交などの断行

を要望していたのです。
これらはほとんど実行されています。

第1章では、谷内さん当人に、左派の手嶋龍一がインタビューしてましたが、谷内さんは他の人らと違って手柄を己のものにせず、謙虚で誠実に答えています。
やはりこの人は人物です。
現在、政治評論家、政治家、保守派の論客らは、競うように、

「あれは私が安倍総理に進言しました」
「総理から直接指名されました」

合戦をして、その狡さ、ひとがりさに、宇宙の果てまでぶっ飛ばしてやりたくなるやからばかりの中、人間の格が違いました。

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