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「狂」の心をもって己を鍛えた逸材! 『執念』合戸考二(ごうどこうじ) ベースボール・マガジン社

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(2023年4月27日記)

本書のテーマは、「トレーニングと精神力・目標の重要性、狂気」です。
著者は、ボディビルにおいて、2005年、2007年から2009年と4回の日本一に輝いた人であり、そのトレーニングは、「狂気」とさえ評されていた人物です。

「狂気」

こう呼ばれるくらいでないと、なにごとも「本物」ではないと確信している私としては、大いに納得できました。
何かをやる、ということについて、「狂気」を発揮できる人は誠に幸せな人でもあります。

合戸さん、164センチと、大きな人ではありません。本書にボディビルを始める前の写真もありましたが、至って普通の人でした。
それが軽い気持ちで始めたジムトレから、「よっしゃ!」と本格的に、やがて、日本一を目指すようになり、いつしか狂気のトレーニングになっていきます。
当初は、ブルース・リーの引き締まった肉体美に魅せられて始めたのですが、周囲のボディビルダーや、コンテスト参加を経て、「人生をかけてやる」となりました。

ブルース・リー、懐かしいです。
あれは忘れもしない1973(昭和48)年から翌年にかけての冬休みのことでした。
「なんか格闘の面白そうな映画がある」という風評を知り、そのポスターでリーの体を見た時、「おおっ!」と、大きさ、バルクより、その引き締まり方、くっきりした筋肉の凹凸おうとつ、これをディフィニッションと言うのですが、それにかれたのです。
バルク、これは量、厚みのことですが、厚み、大きさは中学生の私は、劣ってないどころか、まさっているほどでしたが、あのディフィニッションは、ウエイトトレではない、日頃の鍛錬の賜物たまものだろな、と感動していました。
この人は俳優なんかじゃなく、武道家なのだと。

合戸さん、本気になった時、30歳を超えていますが、「いかにきついトレーニングにするか」が、最大のテーマでした。
これ、よくわかります。楽して力、筋肉はつきません。
筋トレでも、きつい方法でないと向上しないのです。
合戸さん、そこで日に2回のダブルスプリットにします。それも1回分が、他の人の1日分になる密度と強度です。
他の人がやれば、とても最後まで完了しないトレーニングでした。
け物」みたいな体になりたい一心で鍛えたのです。
これは精神の強さもなければできません。

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