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こんな授業だったら、古文も好きになってたはず!? 『妄想古文』 三宅香帆(みやけかほ) 河出書房新社



(2023年2月4日記)

本書「えすぎて絶対忘れない!」とありましたが、皆さんも学生時代に習ったであろう古文がテーマです。

どうでした、古文の成績は?
私、嫌い、苦手な教科ゼロでしたが、古文は「なぜ、どのように現代まで言葉が変化したのか、しなかったのか」と、昔の人の行動、言葉が基本的に、今とさほど変わっていないので、面白かったです。

高校は進学校だったので、中学時代とは180度も違った連中が同級生で、互いに「いとおかし」とか「言はで思ぞ」とか「いかにくやしからまし」など、会話に使って覚えるのが常でした。
『源氏物語』を読んで、「こいつ、ただの女たらしじゃん」とか、みんなで笑っていたものです。
でも、考えたら、1000年も前に、今と変わらぬことを書いていたのは驚きます!

目次の一部を紹介すると、

百合ゆりが生んだ日本一
有名なエッセイ『枕草子まくらのそうし
日本最古の百合にして布教ファンブログ
「私のこと、好き?」
推し、描く
天才作家の仕事、恋愛、シスターフッド『源氏物語』
彰子しょうしモテ作戦で招かれた紫式部むらさきしきぶ
パトロン兼ファンと作者の色っぽいやりとり
意外に女性との仲もアツい紫式部
男女だけじゃない!百合もBLボーイズラブもありのハーレム絵巻
無限カップリング天国と主従モノ『伊勢物語』『落窪おちくぼ物語』
歌物語はユージカル、作り物語は演劇
在原業平ありわらのなりひら、ジャニーズにいそうな歌人№1
モテ男すら翻弄ほんろうする「アザトカワイイ」
二次元に恋して、二次創作に励んで『更科さらしな日記』『とりかばや物語』
古文イチ妄想がはかどる!
歌の外にある関係性『万葉集』
他『古今和歌集こきんわかしゅう

などと、なっていました。

『枕草子』の作者は清少納言せいしょうなごんで、藤原定子ふじわらのていしという姫の付き人、家庭教師でした。
『源氏物語』の作者の紫式部とは、互いに相手を陰でののしりあう仲で、自分こそが才女、才能あるヒトと自負しています。

『枕草子』は、清少納言が、定子との思い出を綴った書です。
学校では、「春はあけぼの」と習いますが、大半は職場の出来事でした。
著者は、キラキラ系エッセイとしていますが、確かに明るく面白いです。
清少納言は、田舎のインテリ主婦というくくりもうまいです。

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