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人口減少より、「やったるで!パワー、意欲の減少」が大問題だぜいっ!! 『未来年表 人口減少危機論のウソ』 高橋洋一 扶桑社新書


(2023年5月13日記)

本書のテーマは、昨今、繰り返される『「人口減少は日本の危機」論のウソを突く』というものでした。
高橋さん、常にデータを論理的ロジカル思考で分析します。

目次の一部を紹介すると、

人口減少が危機だと叫ぶ人の正体
解明できていない出生率低下の要因
世間のムードで変わる出生数
政府は人が減ることに危機感を抱いていない
人口問題の本質
GDPが減っても生活には関係ない
人口増減率と経済成長率は無相関
人口推計は5年おきに再調整すればい
移民政策の是非
日本を真似したいアメリカの移民政策
中国人による高額医療の不正利用が問題に
単純労働はAIに置きかわる
年金と社会保障の真実
年金制度の3つの問題点
年金に消費増税は必要ない
金があるなら民間保険は入らなくていい
人口減少で社会保障は破綻しない
誤解だらけの雇用政策批判
賃金が上がらないという誤解
雇用改善は金融政策が要因
人手不足解消は女性の働き次第
人口減少で職を失うのは努力をしない人たち
税源で決まる改方分権
地方分権は税源移譲がカギ
岩盤規制を崩すための国家戦略特区
人口減少時代に我々がすべきこと
財政危機なんかのウソを気にするな
今から老後格差に備えよう

などとなっていました。

2070年には8700万人になるとも言われている日本の人口減少、最近は、危機だ!の大合唱です。
実は1970年代までの日本の各新聞は、人口過剰を問題にしていました。
適正なのは1億人以下とか、明治時代は7000万人だったとかです。
高橋さんは、人口減少を騒ぐのは、地方公共団体の関係者だと見ているそうです。
人口が減れば市町村合併でポスト、居場所がなくなるからでした。
日本は1888(明治21)年に地方自治体がなんと7万1314もありました。今は1718です。
合併の連続で減らしてきました。他にも危機をあおるのはコメンテーターとしています。

日本の出生率の低下の原因は複合的ですが、まずは婚姻数の激減が挙げられます。
給与が低いから結婚できない、の他に、恋愛が面倒、結婚がいや、という、「なんたること!」という理由です。
日本は、人工妊娠中絶大国です。2016年で16万8015件もありました。
人口増加に有効なのは、中絶の禁止と高橋さんは唱えますが、現実的ではありません。
婚外子、日本は驚くほど少なく、再々、引き合いに出されるフランスは多いです。チリは71.1%、ブルガリア58.8%、フランス56.7%、スウェーデン54.6%です。

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