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『怪物に出会った日』 森合正範 講談社


<緊急「大」ニュース!?>

来たる2024年2月16日、いよいよ『天晴!な日本人』がワニ・プラス社より満をして刊行されます。
大久保、小村の他、乃木希典まれすけ、桂太郎の愛妾の、凜とした美人のおこい、高橋是清これきよ、小野寺まこと、東條英機、樋口季一郎ひぐちきいちろうの、日本人の魂を伝えます。
安倍さんの偉業とメディアについても詳述しているので、今後の参考にして下さい。
超人気のおそれあり?あっという間に品切れとなる前に、アマゾンでの予約をしといた方がいいです!よろしく!

<本文>


(2023年11月23日記)

今回のテーマはボクシングの「井上尚弥」です。
スーパーバンタム級チャンピオンの井上の強さは並のものではありません。
これまで、
マイク・タイソン、フリオ・セサール・チャベス、オスカー・デラホーヤ、フロイド・メイウェザー、マニー・パッキャオ、ゲンナジー・ゴロフキン、サウル「カネロ」アルバレスなど、
こいつは強い!と感じるボクサーがいましたが、井上の強さも同列に論じられてしかるべきものです。
そして本書、格闘に少しでも興味がある人は迷わず読め!の素晴らしい書でした!

これを書いている今、井上は年末にかけて試合がありますが、負けることは考えられません。
相手が何ラウンドまでもつか、でしょう。それくらい図抜けた、かつ安定した強さがあります。
本当の強者というのはライバルなどいないのだ、と考えてきた私が、心から認めて賞讃できる、理想とするチャンピオンです。

井上の強さは、ボクサーの父親から、幼児の頃からの英才教育を受けてきたこともあるでしょうが、同じ教育を受けてきた弟とは別次元の強さです。
その理由は、心の強さ、冷静さでしょう。
強くなる、チャンピオンになるというボクサーは、総じて己の全て、人生を賭けてボクシングに打ち込んでいます。
目先の安楽、快楽にしがみついて、たらたらやりながら、その愚かさに気付こうともしない、自己満足の愚か者とは違います。
結局、人間が本物か、本物の振りをする卑怯ひきょうなニセモノかの違いです。

格闘家の素質は肉体だけではありません。
何に対しても臆することのない確固たる己への信頼、どんな苦しいトレーニングにも耐える精神の強さ、落ち着き、冷静な観察眼、構想力なのです。
井上は全てを持ち合わせたボクサーです。

アメリカの由緒あるボクシング雑誌の『ザ・リング』には、階級を度外視して、誰が最も強いかを選ぶ「パウンド・フォー・パウンド(PFP)」という企画がありますが、井上は日本人として初めて1位に選ばれています。
これは大変なことなのです。
1989年からこのランキングがスタートしましたが、日本人が1位になることはないだろうとされてきました。
それを井上は、2016年にベスト5、2019年にベスト3、2022年に1位とランクアップしてきたのです。
実際に井上は、私がフェアに見る限り、日本史上、ダントツで最強と言えます。

目次のごく一部を紹介すると、

井上の強さとは何か
怪物前夜
井上と闘うなら今しかない
雑草と怪物
動きを読まれている
神様からめられた
日本ライトフライ級王座
本気で殺しにきている
井上と判定までいった男
世界への挑戦
伝説のボクサーは語る
伝説の始まり
約百五十戦で生涯初のダウン
進化し続ける怪物
怪物と最も拳を交えた男
心を読まれている
イノウエ、パンチ、ツヨイ
井上君だけはやめて!
すきがまったくない
衝撃のKO決着
パウンド・フォー・パウンド一位
井上戦を見てプロボクサーを決意
ボクシングを変えた男
命がけで戦ったから
勲章

などとなっています。

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