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(美達の蔵出しオススメ)『習慣の力』 チャールズ・デュヒッグ 早川書房 他、2冊

※2015年2月に旧ブログに投稿した書評です。書影は新版です。ご留意下さい。


「私たちの生活はすべて、習慣の集まりにすぎない」

これは心理学の名著『心理学原理』の著者、ウィリアム・ジェームズの言葉です。まさにその通りとしかいえません。

本書は、その習慣の仕組みを解き明かし、習慣を生み出す力、変えるための鉄則などと合わせて、企業と社会においての習慣も分析しています。
企業ではアルコアとP&Gとスタバの成功とその原因、社会では1960年代の公民権運動の他、アルコールやギャンブルについてでした。

私たちの習慣は、きっかけとルーティンと報酬が結びつき、欲求が生まれてループを作動させているということです。
習慣を変えたければ、代わりのルーティンを見つけるようにします。
そして、小さな成功や達成を重ねていくそうです。
決まった時間に決まったことをする、これがコツになります。

それぞれのエピソードが興味深く、たとえばギャンブラーであれ、病的な人は、普通の人より勝った時に興奮するとか、勝ちに近いニアミスへの反応も強いとありました。
巻末に習慣の変え方、作り方が載っていますが、何よりも自分でこうするのだという能動的な意思の力が必要なのは言うまでもありません。

ただ、意思の力とは、まるっきりの根性だとか精神論でもなく、科学の力によってコツが特定され、うまく変えられる(作れる)ものでもあるんですね。
本書は読後に「よーし、やるぞお!!」という熱い心が起こるものではなく、「こういうことだったのか。ならばこうしてみるか」という知恵になります。一読の値ありです。

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