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(美達の蔵出しオススメ)『なぜアメリカは日本に二発の原爆を落としたのか』日高義樹 PHP文庫 他、2冊

<お知らせ>

緊急で、レビューは7月初めになりますが、『安倍晋三元総理追悼論』(高木書房)を是非、読んで下さい。


安倍晋三元総理追悼論
深田匠
高木書房

現在までの最高の書であり、これ以上の内容の書は、たぶん出ません。
著者の情熱と誠実さと公正さも卓越しています。
一家に一冊、友人・知人にも配って下さい!! 


<今回の書評>


なぜアメリカは日本に二発の原爆を落としたのか
日高義樹
PHP文庫

※2015年1月に掲載した書評です。ご留意下さい。


これまでも原爆を、なぜ日本に使ったのか、という書は枚挙にいとまがありませんが、本書はそれに加えて、現在の国際情勢の変遷にともなって日本の安全保障への提言も述べられています。

アメリカの原爆開発は、大東亜戦争開始前日(1941年12月6日・アメリカ時間)に予算がついているんですね。開発の中心地がロスアラモスに決まるのは翌年11月。その後、アポロ計画より多額の予算(20億ドル)をつぎ込んで完成しました。

実際に日本に使用するかどうか、政府関係者・学者・軍人の間でも意見が分かれていますが、日本嫌いのルーズベルト死去後、大統領に昇格したトルーマンも賛成して使われたのです。

本書では、専門的にならず、かつ必要十分な説明がされています。国際法上(当時の)は、どうだったのか、終戦のためだったのかなど、公正な視点で述べられていました。本書でも触れていますが、核兵器は、持っていない国に対して使われるのです。相手にも核があれば使われない(使わない)のが、安全保障の常識になっています。

また、日本はアメリカの核の傘のおかげで平和を享受きょうじゅしてきましたが、現在の国際社会では、アメリカの威光は衰え、近隣国の脅威が増しているのです。著者は、平和を唱えるだけの平和主義をナンセンス(国際社会の常識ですが)としています。その辺も合わせて、是非、読んで欲しい一冊でした。

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