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呼吸が出来るということ。

私には、気の知れた友人や大切な人との些細で穏やかな時間が必要だった。


人生で初めて終電を逃して友人が住むシェアハウスまで夜な夜な歩いた日。

美味しいねって言いながらフルーツ屋さんのちょっと良いいちごサンドを食べた日。

どこか遊びに行くでもなくふらっとやよい軒に入って終電までおしゃべりした日。

わんこそばを食べるためだけに東北行きのバスに飛び乗った日。

実習を頑張っているパートーナーとの少しのLINE。



そんな大好きな人達との愛おしい日々が私の中にある暗い霧を晴らしてくれた。

もちろんこれがただの気休めだということは分かっている。
ただ、一人でいると、自分がどんどん暗闇の中に閉じこもってしまうことも知っている。
私の性質上、自ら不幸になろうとしてしまう。





最近は、誰かと自分のことや将来について語ることも、考えることも、聞くことも、なんだかぜんぶ億劫だった。


私はなんのために動いているのか、なんで成長したいのか、何を求めているのか、どうなりたいのか。
分からなくなった。
分からないけど今のままじゃ全然だめだということだけは分かるから、分からないなりにとりあえず目の前の成長やチャンスのためにひたすら走り続けた。
「はやく成長しなきゃ」という暴力によって、取捨選択せず全てのものを吸収しようとして、脳がパンクした。


その結果、5月に発熱と共に病んだ。

楽しい、きれい、美味しい、幸せという感情を感じにくくなり、悲しい、なんでこんなにダメなんやろう、消えちゃいたいって思うことが増えた。

全ての音がノイズになり、何かを視界に入れることがしんどくて、そこから逃げるように眠る日が続く。


この暗い気持ちから抜け出すために絵を描こうとしたけど、上手く手が動かなかった。
絵に、色に、助けて欲しかった。



私にとって表現はすくいだったはずのに、
上手く掬えなくて、救えない。
「表現にとける。」その感覚がまるでない。
ひとりぼっちの暗い部屋で絶望した。





きっと、私の中にある色んな感情を無理やりすくおうとしてたからなんだと思う。

「忘れないうちに、
バラバラになって消えちゃう前に。
はやく整理しなくちゃ。」


「私に足りてないものをはやく見つけて、行動しなきゃ。はやく成長しなきゃ。動かなきゃ。
ていうか絵なんて描いてる場合じゃなくない?」

そんな焦りや矛盾した気持ちが絵をなぞる筆を、
コトバを綴る手を止めさせ、
整理出来ないまま新しい情報を入れてしんどくなってしまった。

そしてその暗い気持ちが普段なら心動くものに対しての感覚を鈍くさせていたのだろう。

負のループすぎる。






だから、うみぞらとか、国創りとか、
沢山整理したいことがあるけど、
今は、少しのお暇をください。
しょんぼりした気持ちから抜け出すための
もやもややぐるぐるを忘れられる些細な日常を過ごさせてください。

そう思いながら、ここ数日を過ごしていた。






今日は岩手の河川敷で友人と絵を描いた。
風の音、草の匂い、空の体温、友人との対話、
そこにあるものを感じながら描いていた。


久しぶりに思うがままに描けた気がする。

もやもやぐるぐるした気持ちを全部忘れられて
色んなものからかいほうされた気持ちだった。

不思議と手が勝手に動いて、表現にとける感覚を思い出す。

この絵、めちゃくちゃお気に入りなんだ。


もう1つ、嬉しかったこと。

盛岡の下町の商店街にある本屋さん。
入り口にコーヒーに関わる本が置いてあるコーナーがあった。

その棚の一番下、ホコリがつかないように丁寧に袋に包まれた本が1冊。
ぽつんと、注意して見ないと目に入らないようなところに置かれていた。

タイトルも、帯に書かれている言葉も、表紙の絵も、本のサイズも、全てが一目惚れだった。


いつもは中身を少しだけ読んでから買うかどうか決めるけれど、
運命的な出会いをしたこの子を買うと決めるまで、そんなに時間はかからなかった。


そういえば、一目惚れで本を買うことも久しくなかった気がする。
この子を運命だと思えた自分が嬉しかった。


表現にとける感覚や心動くものに触れること、
ここ最近、また少しずつそれが増えてきていて、
そうしているときは上手く呼吸が出来る。

上手く呼吸ができ始めると、思考も出来るようになってくる。


きっといまのわたしはしんどくなったあと、1人じゃ呼吸の出来る場所に戻れない。少しずつ回復してるのは大切な友人たちが私を外に連れ出して、それに触れるきっかけをくれたから。

本当にありがとう。



ちょっとずつ元気になってきてるのがわかるんだ。
全部頑張ろうとしちゃうから、
サボることを覚えることにする。
でも脳は止めない。
整理できることから整理し始めるよ。

このnoteは、
また、忘れそうになった時のためのメモ。
大丈夫。大丈夫。


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