予定管理のはなし

おそらく元来そういう性格なのだと思います。
先々の予定を何に書いても、どうやっても、うまく管理できた試しがありません。紙の手帳を使い、Sharpの電子ノートを使い、Googleカレンダーを使い、iPadを使い、Androidを使いましたが、いずれもそのうち飽きてしまって続かないのです。

予定管理に飽きるもなにもないだろうと思われるかもしれません。
実際その通りだと頭では理解しています。
でも非常に個人的なワガママを言わせてもらうと、予定を把握し遂行することって楽しくないんです。指示待ち人間気質なんでしょうきっと。
誰かに定めてもらって、あれよこれよと言われて1日が過ぎていくほうがずっと楽なんです。

本当に誰も興味がないと思いますが、私の予定表遍歴を発表します。

紙の手帳

たしか一番初めはniko and…で売られていた何の変哲もない手帳だったと思います。それまでの私は管理が苦手どころか予定を手元に置くという発想さえありませんでした。購入したのは、マンスリーとウィークリーが交互に出てくるオーソドックスなタイプの手帳でした。
これは1年ほど続きました。割と長いのですが初めに申し上げた通り私は続けられる性格ではありませんので、単に新しい玩具を手に入れてうれしい気持ちが1年続いたというだけです。あと、手帳で予定管理するなど俺はなんて高尚な大人なんだ鬼に金棒を持たせてしまったな的な調子に乗ったことも否めません。
1年タイプの手帳でしたので、翌年新しいものに買い替える必要がありました。

やっぱデジタルなんじゃん?

紙の手帳の弱点。それは年をまたぐ時に2冊持ち歩かないといけないことです。いやいや手帳ってだいたい前年の11月か12月くらいから載ってんだからその辺で移行しろよと思われるかもしれません。でも、前の予定へ巻き戻って確認しないといけないことって意外にあります。カバンに2冊も手帳が入ってるだけでも面倒なのに、とっかえひっかえするなんて地獄です。
そこで私はハタと気づきました。これからはデジタルの時代だと。
電脳で管理されている手帳には年度の垣根など存在せず、好きなだけ過去にも未来にも旅することができます。20年後にハワイに住む予定も入れることができるんです。紙の手帳を使うことが急にバカバカしく思えてきた私は即座にGoogleカレンダーに移行しました。

デジタルってちょっとあれじゃん?

いい事づくしに思えた電脳手帳でしたが、盲点がありました。
使うのが意外に面倒ということです。ハァ?と思いますか?
紙の手帳に比べたら楽でしょと主張されるかもしれません。
手帳を常に机に置き、何かあればすぐ開いて書き込んでいた私にとって、ブラウザだかアプリだかを立ち上げてその日をタップだかクリックだかしてフリックだかQWERTYだかで入力するのは遠すぎました。なんで予定を確認する為だけに何度もボタンを押さないといけないんだと。
エデンかと思われたGoogleカレンダーは、地獄ではないが天国でもない、普通の現実でした。
困りました。もう紙には戻りたくありません。でもGoogleさんとも決別してしまいました。そこで、デジタルなんだけど紙の手帳の性格も併せ持ったモノを探すことにしました。

専用デバイスって響き、いいよね。

その昔、IBMが販売していたPDA(Personal Digital Assistant)でWorkPadというものがありました。
名前の通り、個人向けの情報端末であり、予定表やメモ、連絡先を電脳媒体に保存し、即座に閲覧できるものです。
リアルタイム世代ではないので存在そのものを知らなかったのですが、調べれば調べるほど私向けに開発したとしか思えないデバイスです。
この当時ですでに発売から軽く10年は経過していましたので、ネット上には殆どリアルがありません。迷いに迷った挙句、Workpad 31Jという機種を買いました。ヤフオクで3000円程度だったと思います。
これはなんと単4電池2本で駆動するのです。未来永劫バッテリーの心配が必要ありません。ボタンを押せば瞬間的に予定が表示されます。このレスポンスに関しては今のスマートフォン事情から考えても最速だと思います。
私は悦に入りました。紙を経て、デジタルを経て、ようやく自分のスタイルを確立したのだと満足しました。しかし、これがいけなかったのです。

続く。

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