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タイパって。~人間の進化なのか退化なのか

突然ですが、私は、ある男性グループが数年前から好きで、
彼らが出ているメディアも録画や見逃しでの視聴をしているくらい、
いや、なんなら、ライブにも舞台にも行くくらいの推し活をしています。

その中でも一番好きなメンバーが先日司会をしていた、NHK Eテレの番組を観たのですが、
短い30分程度の番組の中に、深くて濃いテーマがギッチリ詰め込まれていました。


倍速視聴から始まって

 その番組のテーマは、俗に言うZ世代の方々だけでなく、その上の世代の方々もしたことがあるであろう、
メディアの「倍速視聴」についてでした。

倍速視聴をしてしまう理由や原理とは何?という掘り下げで、3名の一見全く関連性のない専門家たちが意見を持ってくるのですが、
司会者も含めて意見や感想を言い合っていくうちに、人間の深ーい心根や感情の部分だとか、
環境や地球問題に話が発展していくんです。

それがとても面白くて、もう1周観たくなりました(て、30分番組1つなんですが)。
こういう掘り下げ、大好きです。
推しが司会してるからとかそういった理由ではなく、純粋に面白くて、
これは倍速視聴しようとは思えない。

詳しくは、Eテレの再放送やNHKプラスでの見逃しを観ていただくとして。

(もう誰推しかバレますね)

で。
倍速視聴に関連するところで、番組の中でも「タイパ」という言葉が出てきました。
私はここ最近までこの言葉すらも知らなかったんですが、これもZ世代が世間を渡る術として命名したものなんですね。

タイパ = タイムパフォーマンス

春物を見たくて久し振りに買った女性ファッション雑誌でも「タイパ」の特集がありました。

今は、コスパよりもタイパ!という説もあるらしいです。
効率良く、短い時間で、手間をかけずに、といった意味だと思うのですが、私は、タイパという言葉を知らなかっただけで、
タイパを駆使しているのに気づきました。
「コスパ」「費用対効果」「時短」「ライフハック」「サブスク」…

この辺は近年になって謳われるようになり、整理収納や家事、育児、仕事、多岐にわたって、
これで生活や気持ちをラクにしましょうという流れになってきています。
私も、このいずれも意識して、行動しています。
タイパは何もZ世代だけでなく、広い世代で同じような語句で意識されている訳です。

子供たちが大好きなマックも、素早く受け取れるモバイルオーダーというサービスを利用しているので、タイパの1つですね。

倍速視聴などのタイパをどう感じますか?

 話を戻して、倍速視聴です。

皆さん、倍速視聴はしたことはありますか?
確かに見逃し視聴は便利で、私もかなり活用させていただいていますが、
私は倍速視聴をしたこともないし、したいとも思わない人です。
推しが出ている番組を観る時に早送りはしますが、ドラマや音楽を倍速したりはしません。

あくまで、私の倍速視聴に対する考えなのですが、
なぜ1つの作品として流れで観ない(聴かない)のかが不思議なのです。
失礼な話ですが、推しが出ていたり好きな製作者が作った番組でも、面白くないなと思ったら、
倍速ではなくその時点で観ることをスパッと止めます。

例えば、ドラマであれば、ストーリーがあって、その中に登場人物の感情だとか考えだとか思惑だとか、
そういった目に見えない観て感じるしかできないものが詰め込まれているのですが、
倍速してしまうと、それが感じられなくなってしまう。
あらすじだけを追って、終わることになると思います。音楽ならば、細かい音取りやニュアンス、歌い手の感情移入が飛ばされてしまう。

それで良いのか。
作り手へのリスペクトはあるのか。
そこに本物の感情や感動はないと思ってしまうのです。


ただ、番組でもメディア論としてお話があったのですが、
タイパには、下記の2つの種類があるそうです。

「しかしタイパを求める人々の根底には『時間が惜しい』という共通した感覚があります。大切なのは、時間が惜しいという感覚を持つ人が『時間がないから時間を大切にしたい人』と『待ちたくない、今すぐ楽しみたい人』の2種類に分けられることです。
前者は『時短型』、後者は『バラエティ型』といえます。この区別を理解しないと、タイパの本質を見失ってしまいます」

そう話すのは、青山学院大学経営学部マーケティング学科の久保田進彦教授だ。

「『バラエティー型』は、一定の時間内でより多くのモノを消費したり、楽しんだりしたいという層です。たとえば、映画を倍速で見る、音楽はサビだけを聞くなどの方法で時間効率を高めています。時間に追われているのではなく、自分の時間を目一杯楽しみたいのが特徴です。このタイプは学生や若い人、いわゆるZ世代に多い印象ですが、中高年層にもいます。“今”を楽しむ欲張り消費であり、時間に追われる『時短型』とはかなり異なります」

ダイヤモンドオンライン「Z世代はなぜ時間があるのに時短を求める?「タイパ消費」の実態」より

なるほど。
ならば、私も「時間がない」とか「時間が惜しい」とか「時間のうちにたくさん詰め込みたい」という理由で発動するタイパがあります。
倍速視聴はしないけど、すぐに携帯を取り出しネットで物事を調べる癖や、ドラマの第1回視聴の後は最終回を観て終わってしまうこともあります。

あら?
私も倍速視聴することに意義を唱えている場合ではないのか。

人間は進化しているのか退化しているのか!?

 番組では、倍速視聴やタイパに対して、下記のような感想も出てきました。

感情が枯渇化してきているのではないか?人間が短く短く時間を区切って生き延びるための手段ではないか?

現代は人間の頭の良さで人工的に発展して、あらゆる情報やモノが余剰するくらいに増えて溢れています。
人間は、便利になったはずなのにタスクは何故か増え、消費するモノも増え、社会での在り方や人間関係に振り回されて疲れています。

だから、早く選び取ったり捨てたりする技術を必要とし、ドライな関係を求めることになるのでしょうか。

こうなってきた人間は果たして進化しているのでしょうか。退化しているのでしょうか。



私も、社会生活で1度失敗した時から、
「効率の良さ」「つかず離れず」「ライフハック」「早くしないと」「時間が足りない」
その意識でずーーーっと生活してきたことに、気づきました。

勿論、疲労や心身の安定には良いことではあるのですが、
「時間が足りない」と意識は、寧ろ自分がそうさせているのではないか。
だとしたら、
この焦りはどう解決したらよいのでしょうか。

うーーーん。

例えば、意識的に、
生活を倍速にせずに、1×のペースでゆったりとした気持ちで過ごす。

時間を忘れる、時間を感じないくらいの充実した、充たされた日々を過ごす。
タスクだとか時短だとか横において、たまには丁寧に時間をかけて料理を作ったり、庭仕事や掃除をしたり、子供と一緒に遊んだり。
めんどくさいものや便利ではないものにイラっとしないで付き合ってあげたり。

そして、好きなことをとことん突き詰めたり。

その感情を、その人間らしさを楽しめたら、どんなに良いだろう。
皆がそんな思いを持てば、実は人間の進化や退化なんて、
そしてSDGsも語らずに済むのかもしれません。

タイパは、心身の安定のために意識する。そして。

まあ、そうはいっても、朝は早いし夜も忙しい。
自分に与えられた24時間という円の中にはいろんなスケジュールが入っていて、こなさないといけない現代。

でも、いつもかしこもタイパを意識しないようにはしたいと思います。
ストレスを感じる時にだけ、タイパは発動。

ちなみに、タイパは発動しても、

自分と周りへの「愛」は忘れずに!!!

旅のお土産のチョコを、夜にゆっくりすこーしずつ食べる時は、時間を忘れています。 美味しい♡


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