2020年シーズンを迎えるにあたって


いつも応援してくださる皆様へ。
1月も終わり、2020年のシーズンが目前に近付いてきました。
そのため、本日は今シーズンの目標を宣言します。拙い文章ではございますが、それもご愛嬌ということで少し長めですがお付き合いください。

2020年の目標 = 『日本選手権 800m 優勝』

2020年はこの目標をひとつのゴールとしていきます。


○なぜ『東京五輪出場』ではないのか。

⇒東京五輪を狙うために、"あえて"この目標設定にしました。
オリンピックイヤーの今年に、なぜ『オリンピック出場』が目標ではないのか。
これには、3つの理由があります。

①東京五輪出場を目標に掲げるより、それが現実味を帯びるから
②競技人生において私が唯一とれていない国内のタイトルの為、燃えるから
③競技と真剣に向き合えていなかった近頃の自分と決別する覚悟を決めたから 

まず1つ目の理由は、『東京五輪出場を目標に掲げるより現実味を帯びるから』です。
ワールドランクを利用しての東京五輪出場が厳しい私にとって、参加標準記録を切ることが東京五輪出場に唯一残された道です。そして、日本記録保持者の川元選手と昨年の日本チャンピオンのクレイアーロン選手がいる今の日本において、日本選手権を優勝する力をつけることは、参加標準記録 1’45”20突破に直結すると考えています。


そのため、東京五輪出場を絵空事に捉えず、より現実的なものにするために"あえて"日本選手権優勝を目標にしました。これが1つ目の理由です。
しかし、現在の自己ベストと参加標準記録とのギャップはあまりにも大きすぎて、正直頭と身体がついてきません。そんな自分を突き動かすものが、2つ目の理由です。

 その2つ目の理由は、個人的な理由で、『競技人生において私が唯一とれていない国内のタイトルのため、燃えるから』です。
私は中学・高校・大学・実業団の大会で全国のタイトルを取ってきましたが、国内で唯一取れていないタイトルがあります。それが日本選手権優勝です。
 私にとっての日本一というものは、とても大切なタイトルです。
なぜならそれは今の自分を支えているものでもありますし、これまでの自分の自信にもなってくれているものでもあるからです。
さらに、日本で勝てない選手は世界に行っても勝てません。日本選手権優勝がは東京五輪のスタートに立つ資格に代わるとも考えています。
 そのため、これからの自分のためにも、これまでの自分のためにも、"あえて"日本選手権優勝を目標にしました。

 そして、最後の3つ目が最大の理由です。

 それは『競技と真剣に向き合えていなかった近頃の自分と決別する覚悟を決めたから』です。
 正直に白状すると、ここ数年の私は陸上競技を続けられる環境に甘え、陸上競技ではなく陸上ごっこになってしまっていました。そのため、『目の前の試合の為の練習をし、それなりの結果を報告する』という実業団選手失格の生活を過ごしていました。さらにそんな大きな目標を立てれない自分に対しても、苛立ちやもどかしさなど煮え切らない思いを抱き、日々をすごしていました。
 原因は次のように認識しています。これまで、私は中学校から大学まで何かしらのチームに所属して競技を続けてきました。そのコミュニティに行けば、コーチがいたり、目標となる人がいたり、ライバルがいたりと、競技をやる上でプラスになるような環境が自分で作らずとも整っていました。社会人になり、それは自ら作らなければいけない事になりました。私は、環境さえ整っていれば練習は出来て、結果も付いてくると思っていました。
 
 ですが、それは長くは続きませんでした。社会人の私にとって大きな壁となったのは、孤独との闘いでした。
 会社に所属する私は、会社でも大きな仕事を任される訳でもなく、練習といっても誰の目も届かない場所で一人でトレーニングをする事の多い日が長く続きました。もちろん、そういった環境で強くなれる選手は少なからずいると知っています。私も初めはそういう選手だと感じていた時期もありました。 

 社会人1年目。順調なシーズンを過ごした私はそこで安心してしまったのです。その安心は、チームに所属しない私から向上心を奪いました。目標とするものが近くになかったからです。『これくらいでいいか。これでも走れるからな。』という気持ちに落ちてしまった選手が、第一線から離れるのはあっという間でした。
 そこからは、なりゆきの競技生活の始まりでした。目の前の試合の為の練習をして、それなりの結果を報告する。大きな目標を立てれない自分に苛立ちやもどかしさなど煮え切らない思いを抱いた日々が流れました。
 私はそれでも陸上競技が続けられる環境に甘え、陸上競技ではなく陸上ごっこと捉えるようになってしまいました。楽しむ事にターゲットを置いてしまった為、色んな人や競技の人と練習をしたり、大会に出場したり。内容のない練習が続き、走っている事に対して満足してしまうようになってしまいました。そんな競技生活を送ってしまっていました。

 そんな自分と決別する覚悟を決めたため、『日本選手権優勝』という、今の自分にとって目指す事の出来る目標を掲げました。


○なぜ今日、このタイミングで目標を宣言したか

 前述のとおり、私はここ数年間そのような状態が続いていましたが、先日ある先輩とお話しする機会がありました。
 そこで、こんな私でも応援やサポートをしてくれる人たちが変わらずいてくれること、また、私がこのまま競技からフェードアウトしていくのはその人たちを裏切ってしまうのではないかということを相談しました。(その話はまた別の機会でお話できたら。)
 その機会が、私にとって本業である陸上を、陸上ごっこではなく陸上競技として再び真剣に取り組むきっかけとなりました。
 そこから様々な自問自答をし、ひとつの覚悟を決める事が出来たのです。

 それが『日本選手権で優勝すること』です。

 そのミッションをやり遂げる覚悟を決めることで、そのビジョンが自然と生まれてきました。
 その中から、自分がやらなければいけないこと(必須項目)を明瞭化する作業を始めました。
 そういった作業を通して、自分の甘えている部分が見え、陸上ごっこをしている自分と決別する事が出来ました。 

 日本選手権まであと、147日(1月30日現在)です。
 新しいことにチャレンジする事も勿論大事だとは思います。ですが、私はもう一度陸上競技に軸足を戻し、今の自分に出来る事を追究し、その武器を磨く事に重きをおいてトレーニングしていきます。そこで得たものが今後の自分にとっても力になると感じるからです。
 『持っている武器を磨くにはまだ充分な時間がある。』と、ある先輩からアドバイスを頂き、背中を押されました。それは私の孤独だった心も動かしてくれました。


○最後に

 ここで自分の想いを言葉にする事で、『改めて自分の気持ちを整理すること』、さらに、『これを読んでくださっている方々に想いを発信したことによって生まれる、良い意味でのプレッシャーを感じること』が自分には必要だと思い、今回このタイミングでこの形を取りました。
 2020年度を良いシーズンにする為に、私はもう一度頑張ります。一人で頑張ることには難しさもありますが、いつも声援をしてくださる皆さんの存在があります。
 私自身、今シーズンの自分がとても楽しみです。           皆さんにも三武潤を楽しみにして頂けると嬉しいです。

最後まで、お読みいただき、ありがとうございました。

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                             三武 潤

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