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【音楽】「岩崎宏美 岩崎良美のコンサート」で聖母(マドンナ)の微笑む姿を観た夜

『岩崎宏美 岩崎良美 Fantastic Concert』に参加した。

※ネタバレにご注意ください!


ザ・ピーナッツの往年のヒット曲恋のフーガのデュエットでコンサートは開幕した。

姉・岩崎宏美が低音パート、妹・岩崎良美が高音パートと互いの声質を考慮したハーモニーはとても美しく会場に響いて、聴いている者たちを心地よくした。

来年、姉・岩崎宏美がデビュー50周年、妹・岩崎良美が45周年を迎えるそうだ。2人の全盛期は1980年を挟む10年くらいの間だっただろうか。

2人とも60代を迎えけっして若いとは言えない年齢に差し掛かり、特に姉・岩崎宏美はコロナ感染で入院し先月6/24開催予定の山形コンサートが中止になったというニュースを見ていたので、体調をとても心配していた。

でもそこはさすがにプロフェッショナルで、そんなファンの心配を他所に不安を微塵も感じさせない圧巻のステージであった。

コンサートは主に、二人のデュエット曲、姉・岩崎宏美のヒット曲メドレー、妹・岩崎良美のヒット曲メドレーの3種類で構成されていた。

若い頃のイメージであるが、姉・岩崎宏美は中低音に深みのあるのびやかな歌声が魅力であった。それに対して妹・岩崎良美は細やかな音の動きを表現するのを得意としていたように思う。

姉・岩崎宏美はヒット曲に恵まれ、歌のうまいアイドル歌手として知られていた。今回のコンサートでも、思秋期ロマンス万華鏡女優シンデレラ・ハネムーン聖母たちのララバイなどを存分に披露してくれた。

シンデレラ・ハネムーンは、世の中の記憶が完全にコロッケの物まねで上書きされてしまった歌でもある。本人も「本当にもう嫌だぁ」と言っていたが、コロッケを呼び捨てにして話しているあたりから察するに、これはよくできたプロレスなのだろうと理解している。

実際、美川憲一と同様に、コロッケのお陰で再ブレークした側面もある。

聖母たちのララバイは昭和の企業戦士の応援歌として大ヒットした背景があるため自分にはピンとこないが、今の年齢で言うと65才-75才の男たちの心を鷲掴みにした曲なのではないか?

事実、会場の前の方の席に陣取っていた黄色い鉢巻と大きなペンライトを持った親衛隊たちの年齢は、主にそのあたりの年代に見えた。

しかし、往年のアイドルのコンサートばりの声援には驚いた。親衛隊たちは、きっと推しなどとという言葉がなかった遥か前の時代から何十年にも渡って追っかけをやってるんだろう。

アイドル・岩崎宏美は、健在である。

それに対して、妹・岩崎良美は残念ながらヒット曲に恵まれなかったアイドルの印象が強い。

今回のコンサートでも昔の持ち歌を歌っていたが、正直あまり記憶にない曲であった。最近は、アニメ・おさるのジョージの主題歌を歌っており、コンサートではそのプロモーションもあった。

しかし、妹・岩崎良美と言えば、何と言ってもタッチである!

あの時代、アニメの主題歌を歌うことはもしかしたら本意ではなかったかもしれないが、今でもコンサートのステージに立てているのはタッチを歌ったからに他ならない。

タッチの曲は、妹・岩崎良美の声質と歌の技巧に本当にピッタリ合っていた。だからこそ、大ヒットにつながったのだと思う。

タッチを歌う妹・岩崎良美の姿は圧巻であった。

妹・岩崎良美は、3歳違いの姉・岩崎宏美の後を追って何でも真似をして、遂にはアイドル・デビューまでしてしまったのだが、2人は本当に仲の良い姉妹のようである。

その2人は、お互いをヒロリン(岩崎宏美)、ヨシリン(岩崎良美)と呼んでいる。

このコンサートは、ヒロリン(岩崎宏美)とヨシリン(岩崎良美)の2人の掛け合い漫才にようなトークで成り立っている。

自虐ネタや家族の話の他、生放送であった8時だよ全員集合の収録時のエピソードや芸能人運動会歌番組の想い出など懐かしい話を語ってくれた。中でも、昔の渋谷公会堂の楽屋が畳敷きで化粧鏡が4面しかなかった話は衝撃的だった。

とにかく、よく喋る2人だ。特に、ヒロリン(岩崎宏美)があんなによく喋る人だとは知らなかった。

昔のアイドルは、相撲の関取のように何か聞かれても「はい」ぐらいしか答えないのが普通ではあったが、ずいぶんと長いこと猫を被っていたようだ 笑

風の噂で流れて来た情報ではプライベートでも苦労されているようだし、持病にも苦しんだようだ。

それを踏まえてのステージでのあの笑顔である。歌が本当に好きなんだろうなというのが伝わってくる。

全員で手を掲げたり振ったりの曲参加も楽しかった。

最後に2人でユーミン卒業写真をデュエットで歌った後、何とご自由に写真を撮ってくださいというファンサービス・タイムがあった。

こんなコンサート初めてで、びっくりした!

最初から最後までが、プロフェッショナルエンターテインメント精神で貫かれていた。

舞台上で、ファンにお礼とお別れを言う二人の姿が、まるで聖母(マドンナ)が微笑んでいる姿のように思えた夜であった。

ああ できるのなら
生まれ変わり あなたの母になって
私のいのちさえ
差しだして あなたを守りたいのです
この都会は 戦場だから
男はみんな 傷を負った戦士

「聖母たちのララバイ」より


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