推しの特技のこと

推しは殺陣がとってもとってもうまい。


長らく殺陣が必要な舞台に出てるからというのもあるだろうけど、インタビューでは昔から木の棒を刀に見立てて遊んだりしていたと何度も言っていた。確かに刀を扱う推しはめちゃくちゃにかっこいいし、ものすごく綺麗な動きをするなあと毎回思う。でも、推しにはそれしかないみたいな扱いをされたりだとか言われたりするのはきらいだし、そればっかりに囚われて原作を大切にできない推しや運営は嫌い。

推しのオタクは殺陣がみたいだろうからと、推しが出演する舞台の演出に殺陣が追加されたのはオタクたちのなかでは有名な話だ。わたしは正直そのエピソードを聞いた時、ふざけとんか?と思った。演出家さん分かってる~!と言っている人たちの心情が理解できなかった。そりゃ推しの殺陣はわたしも好きだしかっこいいと思う。見られる機会があるならうれしい。でも、その物語はヨーロッパが舞台のもので、どう考えても日本刀での殺陣は合わない。Twitterでも見かけた意見だが、日本刀は片刃、西洋の剣は両刃だ。そもそもの特徴も違うから当然殺陣も違う。実際に使ったのはさすがに日本刀ではなく、ステッキ(?)だったが完全に「日本刀の殺陣」だった。いやわからん、本当はそうじゃないのかもしれないけど、わたしには完全に日本刀が見えた。

それを推しが受け入れたことが嫌だった。自分が演じる役を愛し、原作を大切にする推し。役者として当然と言えば当然だけど、その姿勢が好きだし尊敬もしていた。「この役にはこのセリフが大切だと思う。どうしてもこのセリフを追加したい。」と演出家に直談判し、演じていた役にとって特別なセリフが舞台で追加されたのも推しの有名なエピソードだ。でも、今回ばかりは違ったらしい。推しが出演する舞台は原作ありきの舞台なのに。その世界観を壊すようなことを、推しは許した。推しが主に担うお仕事において大切なものや姿勢よりも自分の魅せ方を優先したのだ、と感じてしまった。推し、君を信じていたんだよ。この人が演るなら、と舞台を観に来てくれる人もいるんだよ。推し。

それに、推しが「殺陣ありき」みたいな言い方をされるのは嫌だ。大事な持ち味の一つではあるだろうけれど、他にもたくさんいいところがある。ちなみにわたしは推しの悲しみの演技と狂気の演技が好きだ。もっと悪役をやってほしい…。推しが、「やっぱり〇〇くんは殺陣だよね!」と言われることに何を思っているかはわからない。推しとしてはそれでいいのかもしれない。それでお仕事がもらえることもあるだろう。でも、なんとなく、私は納得いかないのだ。だってわたしの好きな人にはもっともっとたくさんいいところがあるのに。そのいいところを他の人たちにもたくさん見つけられたら結局嫌なわけだけど!


結局推しが好きで笑っちゃうな??????でも気を付けてほしいよ。使えるものは使っていく姿勢が推しの良いところではあると思うけど。でもそれをはき違えないでほしい。もう界隈で「ベテラン」と言われていい年齢と経験に責任を持ってくれ。





てかもうこのエピソードで完全に推しが誰か分かるやん。

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