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七十二候 山茶始開 (つばきはじめてひらく)




#今日はなんの日 🍊
#暦の話

七十二候 山茶始開 
(つばきはじめてひらく)
11/8~5日間です

暦ではついに立冬
冬の到来です
今朝、寒すぎて笑いました
(11/11AM・現在)

さて今回の暦
読みではつばきですが
漢字が示すとおり
実際に開花するのは
山茶花(サザンカ)の方です

これは旧暦の輸入元たる
大陸側ではツバキを総称して
山茶と呼ぶのが理由です

そんな山茶花ですが
一部では環境指標としても
利用できるのではないかと
考えられてるのを
ご存知ですか?

環境庁(現・環境省)が公表している
「大気浄化植樹指針」というものが
あるのですが
これを基に
都市の緑化に対し提言や
「大気浄化植樹」事業を提供する
独立行政法人国立環境研究所が発行した
『大気浄化植樹マニュアル』というものが
ありまして(マニアックすぎ)

ここでは各樹木の
大気浄化能力の定量評価方法や
大気汚染に対する耐久度
はたまた調達の難易度から鑑賞の観点まで
すべてを一元点数化した
『植栽のための植物特性一覧表』という
各植物総評マトリクスがあります

これによれば山茶花は
大気汚染抵抗性が高く
移設や調達難易度が低く
道路緑化に向いている
特に酸性雨や大気汚染に対する感応度に
期待が寄せられています

皆さんが何気なく目にしている都市の草花
あれらは決して
無作為に植えられているわけではなく
場所も、植栽する種類も
きちんと計算されてそこに植えられていると
知ったら、驚きますか?笑

殊、自然についていえば
人間は過去百年
生活圏の発展のために
かなりの程度、無視・酷使をしていた側面も
あったかもしれませんが

こうしてきちんと着々と
問題解決のための一歩を踏んでいるのですよね

私はそういう意味で
人間の科学の発展と自然との共生は
必ずしも矛盾しないと思っています

人は科学によって傲慢になるのではなく
むしろ無知から脱却して自然を解明し
自らその管理者たる地位を占めるようになる

山茶花はその人と自然の結びつきを強める
結び目の役割を担う可能性があるというわけ

そういう目線で見たとき
山茶花の花は私たちにとっては
単なる街路樹の花だけでは
ないのだなとぼんやり思ったり



※豆知識①
実際、日本においては長い間
椿と山茶花は混同されてきたようで
万葉集を除き、歌にも江戸になるまでまったく登場しません

椿と山茶花の違いとして最も有名なのは花の散り方でしょう
椿ががくごと落ちるのに対し
山茶花は通常の花のように花びらから散っていきます

これは咲く時期の違いが関係しています
ツバキの方が気候として厳しい冬の寒さの中で咲きます
ということは虫のほとんどがまだ起きていない時期

つまり開花後の受粉のために
鳥を媒介する必要があります

対するサザンカは一般的な虫媒介
従って、花弁の強度を獲得する必然性がないわけです

似ている花同士ですが
ほんの少しの時期や環境の差がこうした違いを産むのですね

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