映画「ちょっと思い出しただけ」が好きすぎる

映画は結構見る方で、毎週何かしらの作品を見ている。

同じ作品を何度も見るより次々新しい作品を見るタイプ。だけど、今年に入ってからもう3回見た作品がある。
しかも3回とも映画館で見た。

そう、それが
「ちょっと思い出しただけ」。

なんで、そんなにも惹かれてしまうのか。
自分でも整理したくて、今noteを書いている。
★かなりのネタバレなので、申告しておきます。


まず主演の伊藤沙莉さんと池松壮亮さんの演技がたまらなく良い。自然な振る舞いで、映画というのを忘れてしまう。恋愛にも酸いも甘いもあるよなと思い出す映画。



書いてて改めて思ったが、とりわけ葉が好きだ。好きな場面は全て葉がいる。(主役だから当たり前ではあるのだが。)ちょっとした仕草がたまらない。
好きな場面をあげつつ感想を述べていこうと思う。


一押しはソファに座ってテレビを見ながらケーキを食べるところ。
顔につけたクリームを葉がなめる仕草が唐突にエロを感じる。しかも後を引かない一瞬のエロさがちょうどいい。

からの照生のプロポーズ宣言。
その前に葉が何気なく「将来は子ども産みたいし、、」と口にするが、照生はえ?と話をそらす。それを見た葉も何でもないとなかったことにするシーンがある。
その前振りを挟んでからの「来年の誕生日、プロポーズしようかな〜」という宣言は、全女子が嬉しくなるはずだ。
照生は思いつきで本気では言ってなさそうなところもあるが、葉からしたら、忘れられない言葉。その日からカウントダウンを始めるだろう。


でも実際、その一年後が映画では先に映し出される。
映画を見た時はただの大事でもない喧嘩だと思っていたが、思い返せば、プロポーズ宣言がその喧嘩に拍車をかけたのだと感じる。

照生はケガで踊り手の仕事を諦めなければならない状態に陥り、葉にも連絡を返せないくらいに精神的ダメージを受けていた。

一方葉は照生からの連絡を2週間待ち続ける。が、しびれを切らし会いに行く。
連絡をしてこないことへの怒り、不安もあるだろうが、プロポーズ宣言を心のどっかでは期待もしていたと思う。

車内で、葉が「照生くんとのこんな未来も想像できるけどな」って言ったみたけど照生は全く思い出さない。そして諦めた。

あの照生の態度に。
プロポーズのことなんか毛頭なく、自分のことしか考えていないそんな照生に。

「いつも会話になってなかったのかもね」
というセリフも上部だけの会話で、心は通じてなかったという意味なのかと今だから思う。

再び好きなシーンに戻る。
プロポーズ宣言1年前。
葉が「私たちどんな感じ?」と照生のバイト先の水族館まで訪れるシーンも好きだ。
素直になれず照生と向き合うことから逃げていた葉が、突然水族館まで訪れる。
心の内を叫び、やっと安心した葉が泣き出す。
それでも最後まで自分からは告白しないところに女らしさを感じた。

帰りのタクシー内。結局何も言ってこない照生に呆れ、帰ろうとする。やっと男•照生登場。
ずっと待っていた告白なのに、照れ隠しで笑いにつなげてしまうところが葉らしい。

タクシー運転手の粋な心遣いも微笑ましいシーン。
結局核心まで行く前に気持ちが溢れて不意にキスする葉がかわいすぎた。
キスをしながら告白させるというは新手のやり方だと感心した。


そして最後の葉がベランダで黄昏ているシーン。
あの時の少し切なそうな表情が忘れられない。

過去の恋愛を思い出したその日はたまたま彼の誕生日。お祝いするわけでないけど、ちょっと思い出したからケーキを買って帰る。

喧嘩別れ。基本的には嫌な思い出の方が焼き付いている。嫌な恋愛で終わっていたけど、思い返せば悪いことだけでなかった。楽しい、幸せな時間も過ごしたんだなと前向きになれる。
過去に遡る手法だからこそ、良かった時間が濃く見える。

同じ頃、照生もタクシーとバンドマンの記憶から葉を思い出す。
2人して朝焼けを眺めていて、今更ながら心が繋がったのかと思ってしまった。


おまけで言うと、葉がタクシーのバックドアをちょっと跳ねながら締めるところ。あそこもキュンとします。

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