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ディレクション費・ディレクターはなぜ必要なのか?システム会社社長がまるっと教えちゃいます!

みなさんこんにちは、ネッコスの井口です。
システム開発を行う際に、どうしても切っても切り離せない存在であるディレクターとディレクション費用。

どういうことをしていてどうして必要なのか、という点については外側からではなかなか理解を得るのが難しいかなと思います。

しかし、どうしても必要になってしまう縁の下の力持ち的なディレクターのお仕事やディレクション費用について少し理解を深めてもらえたらいいなと思います。

こんなにある!?ディレクターのお仕事

さて、実際弊社でシステム開発を受けた場合には規模によってプロジェクトディレクターないしプロジェクトマネージャー、または専門のディレクターのポジションを置きいずれかにディレクションをしてもらいます。

その内容は下記のように多岐にわたります。

プロジェクトの方向性を決定

プロジェクト全体の目標や方向性を設定し、戦略を策定します。開発言語や環境などを誰かがきちんと設定して先導しなければいけないですし、それぞれが自由に動いてしまうと船頭多くして船山に上るって感じになりますよね。なので大切です。

進捗管理とスケジューリング

プロジェクトの進捗を管理し、適切なスケジュールを確保します。エンジニアさんそれぞれでスピードが違ってくるので、しっかりと進捗を管理して調整をしてもらう必要があります。

リソース管理

人員や技術、予算などのリソースを効率的に管理します。上記の進捗管理に伴うリソースの割り振りや追加の判断などを円滑に行い、スケジュール通りにしっかり進捗させていくのに必要になります。リソース不足で納期に間に合いませんとか、あとから出てきた仕様変更に対してストップをかけたり相談を行う、そういった部分も行ってくれます。

品質管理

プロジェクトの品質を維持し、基準に適合していることを確認します。もちろんコードレビューを自身でもできる立場であってほしいので、開発に使用する言語が読めるスキルも必要です。

そしてしっかり要望通りの物が予定通り進んでいるか、品質チェックや進捗確認、そして進捗の共有など次のコミュニケーションにも含まれる部分を対応してくれます。

コミュニケーションと調整

チームメンバーやクライアントとのコミュニケーションを担います。チームメンバーを纏めてサポートやモチベーション向上を図って円滑に開発が進むようにしてくれます。

もちろん、クライアントの要望についてしっかり確認を行ったり、仕様の確認を行い齟齬や手直しが出ないようにしたり、また実はこういう機能が必要だったんじゃないかという提案などいろいろな調整をしてくれるのがディレクターです。

問題解決

プロジェクトの問題点を特定し、解決策を提案・実施します。開発時にはやはり最初は思いつかなかったけどこういう機能が必要だった!や実際開発しているとちょっと見積もりより重たい作業になるぞ…みたいなケースは多々あります。

こうしたときに問題解決方法の提案や相談、折衷を行うのもディレクターです。一番困るのは、問題を後回しにしたり仕様変更が増えてしまったりで開発費が膨らむ、ないしは納期に間に合わないや開発中止などになってしまう事です。

きちんとした成果物が納期までに納品されてシステムの稼働を開始できることだと思います。そのためには問題の早期解決が必要になる、それをしっかりと対応してくれるのがディレクターになります。

ディレクションできる人が欲しい

このように、コミュニケーションも出来てコードも読めて、対応力も求められるディレクターが居てくれないとごく少人数、1~2人の小規模開発でもない場合はきちんとした問題解決に対応できなくて開発が頓挫してしまう可能性は高いです。

特に外部にあたるクライアントコミュニケーションは要件定義、開発進捗と最初から最後までシステム開発では必要になる部分を受け持ってもらう大変なポジションになっています。

ディレクターが居ることで確かな知識で進行が行え、クライアント様も安心して開発を任せられる、という相互関係になっています。


ディレクション費用の相場観

実際にシステム開発にどれほどディレクターが必要なことは理解していただけたかと思います。そしてこれだけ多岐にわたる部分をカバーしてくれるディレクターの人件費がディレクション費用なんです。

では、実際にこのディレクション費用はどれぐらいが相場になるのでしょうか?

費用感

実際にネッコスで開発を請け負う場合は全体的な見積もりの〇%というような提出の仕方をさせていただいており、このケースが非常に多く大体相場は全体金額の10%~30%ぐらいに収まるものになっています。

ただ、あくまで一般の費用の場合であり大規模システム開発やコミュニケーションなどディレクターの作業が重くなった場合にはディレクション費用も高くなります。

そういったケースの場合はディレクターの稼働工数によってディレクション費を算出するケースもあります。

合計で15人日分稼働したからディレクション費は今月はいくらですのような形で。月間でどれだけ必要になるか見積もれないからという事で月次の人件費として出していただくことになります。

このケースは稼働日数によってばらばらになりますが流動的でもしかしたら安くなるケースもあり、ただし成果物を受け取るとき以外にも月次の費用が必要になります。

ディレクションは開発を円滑に進めるための、そして確実に良い成果物を得るために必要なポジションです。
デイレクション費が高い!と思われてしまうかもしれませんがこれだけのスキルを持っている人間を立てて円滑に進むように当たってもらっている、だからこそディレクション費用が必要になるのです。


ディレクターを入れないとどうなっちゃうか

実際にディレクション費用を削ってディレクターを入れなかった場合、どうなるか、過去に聞いたケースを紹介したいと思います。

Case.1

最初の要件定義から、クライアント側の理解とシステムへの落とし込みの橋渡しがうまくいかず、変更続出でリソース不足による人員追加や修正で納期が伸びてしまうケースがあります。
結果ディレクション費以上に費用が掛かってしまったなんてことになったら目も当てられませんよね。

特に専門的な知識を持つエンジニアと、クライアントさんの橋渡しにあたる部分はとても重要で、そのためにコミュニケーションを円滑に知識をしっかり持ったディレクターが必要になるのです。

これが結構起こりがちになってしまうのを理解してもらいたいのも、ディレクションがどれだけ大事かを知ってもらいたかった一因です。

Case.2

要件定義からシステム開発まで済んだ後で、やっぱりこれが必要だったなどの要件漏れが発生して追加開発がないとこのままではせっかく作ったシステムが張りぼてになって使えなくなっちゃう…というケースも見かけます。

最初から開発のフェーズを区切ってれば良いかとも思えますが、実際に稼働させながらの追加開発を想定した場合先に必要だった場合には大きくスケジュールを動かすことになります。

追加開発をするにも、スケジュールを引き直すにも工数と時間が必要になってしまうのでやはり結果としては費用を無駄にかけることになってしまいます。

システム開発自体そこまで気軽にポンポンやるような事ではなく、できるだけ費用を抑えたいという気持ちはわかるんですけど
ディレクション費を削って開発がうまくいくかは、博打になってしまうのではお勧めはできません。


最後に

今回はクライアント側からだとなかなか見えて来ない、なのに意外と費用を取ってしまってるディレクション費と、実際のディレクターのお仕事について知ってもらいたくて書かせていただきました。

開発を支えてくれるディレクターは良い成果物をお渡しするために無くてはならない存在だと思います。そしてエンジニア以上に様々なスキルを求められる大変なポジションでもあります。

ディレクションをしてくれるから、エンジニアもクライアントも安心して開発ができると私は思っています。


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