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私の好きな東京の風景 歌舞伎座・虎ノ門ヒルズ 2024 - 華のおんなソロ旅

 週末を利用したクルーズ旅(これについてはまた改めて書きます)をして、横浜港に朝9時に到着したが、あとの時間をどう過ごそうか。前からいろいろ考えていたが、東京に戻り一日遊んで帰ることにした。

過去のものだが木挽町広場 今回、歌舞伎座では全く写真を撮らなかったので 

 まずは、今年初の歌舞伎座へ。馬車道駅から電車を乗り継ぎ、歌舞伎座到着が昼の部開演10分前の10時50分。事前にチケットを発券して持っていてよかったわ。筋書を買ってイヤホンガイドを借りて席に滑り込む。

 この観劇、ギリギリまで迷っていてチケットを買うのが遅くなったのだが、そのおかげで1階8列目の真ん中というとんでもなく良い席がポコッと空いていた。このところ席運が非常によくありがたい。

 演目は、中村獅童尾上菊之助の競演による「上州土産百両首」(じょうしゅうみやげひゃくりょうくび)で幕開けである。勇猛さの増した獅童に名女形となった菊之助が寄り添うところは、今流行りの男性同士の、単なる友情以上のものを感じさせないでもない。花道に退いたと思ったら「近道を知っています」と二人で客席に降りてきて1階席通路を歩くサービス。私の席の近くで立ち止まってセリフがあり、いつもテレビで見ている人がほんの1メートル先のところにいるとは、嬉しいサプライズだった。ベテランの中村歌六はもちろんのこと若手の中村隼人も好演で支えていた。

 1幕目が終わって休憩に入ったら、かけつけるところがある。お手洗いではなく、3階の売店に紅白のお餅が入った「めでたい焼き」を買いに走るのである。一度に5個までしか買えないのだが、予約している人もいるので早く行かないと当たらない。私は幸いにして過去買いそびれたことはない。前は250円だったはずだがなんと1個400円に。今回は2個買って1個は家でいただいた。

 2演目目は「義経千本桜」の所作事「時鳥花有里」(ほととぎすはなあるさと)。舞踊であるが、義経の家臣の鷲尾三郎市川染五郎が若々しく演じ、最近の私のごひいきのかわいい女形、中村米吉中村児太郎尾上左近などが美しく舞う姿は目の保養であった。

 最後の演目は有名な「妹背山婦女庭訓」(いもせやまおんなていきん)の「三笠山御殿」は、中村梅枝が6代目中村時蔵を襲名する披露狂言なのである。千住博の作による赤地に滝が落ちてくるかのような祝幕は、撮影しそびれたがネットなどでも観ることできる。劇中口上で、なんと片岡仁左衛門女形(豆腐屋おむら)姿で登場し、中村萬壽時蔵の襲名、新梅枝の初舞台を披露した。珍しい姿だが、やはり立役の方が美しい方である。主役のお三輪(時蔵)をさんざんいたぶるのが官女たちであるが、これはむくつけき立役が演じることになっている。およそ女とは思えないような、歌六獅童錦之助隼人たちがよってたかったいびるので、お三輪の哀れさが引き立つというわけである。お三輪は以前玉三郎で観たことがあるが、新時蔵の方が身の程知らずな田舎娘の悲劇が伝わってくるようで好演だと思った。先が楽しみである。

 今回は豪華な出演者で行ってよかった。能や狂言も観たけれどやっぱり私は歌舞伎が好き。行ける機会にはできるだけ足を運びたい。

 15時30分ころ予定通り終演のあとは、虎ノ門ヒルズの「TOKYO NODE」45階で開催されているエキシビション「ティファニー ワンダー」展に行くことにした。これも予約制である。30分ごとに入場時間が定められており、私は16時30分であったが、込み合っていてそれより前の入場はダメで30分ほど近くで待つことに。

待ち時間に虎ノ門ヒルズから見た風景 いつのまにかヒルズが増えた東京


入口で この黄色のダイヤモンドが目玉らしい
入口で

 今回の展示品は500点で、その半分は日本初公開とのこと。暗くて狭い中、多くの人がひしめきあって観ているが、写真撮影OKなのでみんなが撮りまくっていてなかなか流れていかない。正直のところ私はあまり宝石には関心がなく、すごいとは思うけれど見とれるほどではない。ある程度端折って、写真も気になるものだけ撮ったが、説明書きはほとんど覚えていないのであしからず。オードリー・ヘップバーン主演の映画「ティファニーで朝食を」(このこの映画の鑑賞記は別記事で書いている)の一コーナーがあって、回転する座席でスクリーンを観ることができるという趣向が面白かった。

展示風景
展示風景
展示風景
背景は桜
リングとボックス
展示風景
展示風景


フレディ・マーキュリーの髭のお手入れ用 
マリリン・モンローにも提供


オスカー像
オードリー・ヘップバーンと
映画撮影時の風景

 30分ほどで鑑賞を終え、グッズも買うこともなく出てきた。ティファニー・ブルーの美しい紙袋を持っている人も多く、どれだけお買いになったのやら。私にとっては話のタネといったところだったが、これも東京ならではの、なかなかできる体験ではないので記録しておくことにしよう。