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誰でもピアノソナタが書けちゃいます《番外編》【臨時記号?・2段の譜面に3パート?】

ちょっちだけ日記Vol.76

はやしっぷ♡さんがこんなつぶやきを投稿されました。
(勝手に引用ごめんなさい)
でも大事だと思ったので

音楽を始めたどなたもが一度は通る疑問だと思います。
コメント欄でお答えはしたのですが図解もなしでは判りにくいと思ったので
記事にさせていただきました。

それに実は結構「あいまい」な部分で解釈が分かれるかも知れない話なのです。
譜面を書く側の「親切」と音楽の理屈の「はざま」の部分です。
音楽の核心を突いた疑問だと思います。

※今回の話題の譜面はホ長調ですが判りやすいようにカナ表記の音名はハ長調の「ドレミ」で書いています。


D(レ)に#が付いている件はあとにしてこちらから先に

1.二分音符(付点二分音符)の上に八分休符が載っていたら、何するの?

ピアノの譜面はト音記号の五線譜とヘ音記号の五線譜をそれぞれ下と上にはみ出したC(ド)の音を共有して書かれています。
次の画像の上と下は同じものです。

今回疑問に思われたのはこの二つの五線譜の中に3つの「動き」が書かれてあるのでややこしいのです。

※本当は上と下で別々の小節の別の質問だったみたいです。
(私の勘違いwww)
でもちょうどいい機会なのでこのような譜面があったとして話を進めます。

私は普段「MIDI」で譜面を書いているのでこういう場合は3トラック使用します。こうなります。

ピアノの奏法は私は判らないのでこの真ん中のパートを左手で弾くのかそれとも右手なのかは判りません。
(たぶん右手で弾く方が楽なのでは?とは思います。)
前後の流れもあると思いますので。

「弾くの?弾かないの?」という疑問に対するお答えは
もちろん「弾いてください」です。

「作曲者や編曲者の意図」としてこういう譜面を書く場合には
「それぞれの音符や休符をしっかりその長さで表現してね」ということです。

私はピアノの譜面を最大6段ぐらいに分けて書く時もあります。
(私の場合は自分で書いて自分で演奏なのでそれでいいのだ)
※もちろんアレンジャーとしてキーボード奏者に提供するときは2段に書き直していました。


2.レに#が付いているのは何故か?

これは臨時記号の使い方に理由があると思っています。
今回の譜面ではまず最初のヘ音のF(ファ)にナチュラル(♮)がついてますね。
真ん中のパートでは付点八分休符のあとにD(レ)にナチュラルが付いています。

これはこの譜面はホ長調で書かれているのでDにもFにももとは#がついています。
それを「ナチュラル(白鍵)で弾いてね」という意味でつけてあるのです。

曲の途中でつく「#」や「♭」や「♮」を臨時記号と言います。

ここで大事なことですが
臨時記号はその1小節のあいだは効果を持ち続けます。
(タイで次の小節にまたがっている場合には次の最初の音まで)

なのでその小節の中でその調の本来の音に戻すためにはあらためて臨時記号を付け直す必要があります。

ただしそれは同じ音の高さの音についてだけなので本来この譜面では上のD(レ)に#を付けなくてもいいのですが
ある意味「親切」で書いてくれていると解釈しましょう。

今回の場合は上のパートのレ#よりも先に真ん中のナチュラルのレがあるので敢えて#を付けてくれているということだと思います。

なので疑問へのお答えとしては
この譜面の場合には「D#(黒鍵のレ)で弾いてください。」です。

ちょっと表記の例を出しておきます。

この場合ナチュラルのC(ド)がタイで次の小節へまたがっています。
先ほど「タイは次の最初の音まで」と書きましたがこの例だとナチュラルCからそのままC#に行くので
#を付けた方が親切ということです。
実際に私のMIDIソフトでは自動的に次の小節に臨時記号が付きます。)


3.何故そう解釈したのか?

(1)まずはピアノの譜面の特殊性

今回の譜面が例えばオーケストラの別々の楽器の譜面だったら今回のような混乱は起きていません。
上の五線譜には何も臨時記号を付けることなくD#で演奏できるのです。
(実際に最初に上げた私のMIDIの譜面には#はついていません)
冒頭に書いたようにピアノの譜面は二つの五線譜が一体化した譜面です。
なのでオクターブ違っても「敢えてシャープを付けてくれている」と解釈しました。

(2)そもそもホ長調

この譜面はもともとホ長調で書かれています。
E(ミ)はその主音です。Eの音を弾かせるのに臨時記号を使う必要がありません。

(3)付けるんだったらこの記号

臨時記号には「ダブルシャープ」「ダブルフラット」というのがあります。
「##」「♭♭」と表記します。
今回もしEを弾かせる意味で#を付けるとしたらダブルシャープにすべきです。それも次のような「エックス」の記号ならばさらに誤解を避けることが出来ます。(どうしても臨時記号でEを弾かせたいなら、です。)

ダブルフラットは「♭♭」しか表記がありませんが
「ダブルシャープ」にはこんな記号があります。
私は「エックス記号」と呼んでいます。ちょっとそれぞれ書いてみました。

音の順番は
C-Db-D-D#-E-E(ドー♭レー♮レー#レーミーミ)です。

私の個人的本音から言えば「臨時記号が付いた時点で譜面の最初や転調時にその音についた記号はその小節の中ではリセットされている」と言い切りたいのですがそうではない実例も存在します。

今回の例にあるト音の譜面がヘ音の譜面と全く関係ないとなれば#が付いていることによってE(ミ)になる可能性も出てきます。

ただしそれは稀な作曲家の場合です。
私としては、通常「今回のようなダブルシャープであれば「エックス」で表記されるべき」という立場に変わりはありません。

譜面を書く側と演奏する側が共通認識を持てる譜面。それが譜面の目的であることに変わりは無いのです。

ということです。


結局答えになっているようななってないような。。。

ではまた。

みなさんにいいことがありますように。

#コーラスやりたい
#作曲して欲しい


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