日本ダービー回顧
ああ、歴史に立ち会ってしまった…。
みなさんこんにちは、競馬ライターのエルです。
ダービーはどちらでご覧になりましたか?
どの局の放送も力の入った緊張感ある番組だったのではないでしょうか。
私も気を引き締めてお送りしたいと思います。
ダービーが終わった余韻を、ぜひこの回顧で味わってください。
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レース回顧
競馬の祭典であるダービーが今年は無観客での開催となりました。
それでも、ダービーの日が迎えられたということは感慨深いことでもあります。イベントはことごとく中止、延期、自粛という、よくこのご時世でここまでこれたかという想いが、このダービーの日に否が応でも高まります。
出走する18頭は今年のチャンピオンを決めるこのレースに出走できる栄えある競走馬たちです。その馬たちの走りを眼に焼き付けましょう。
さて、パドックでは、どの馬も落ち着き、流石はダービーといった仕上がりです。
しかし、例年ならギッシリのファンの姿はありません。G1時には華やかに着飾った馬主さんたちもパドックの内側に姿を見せますが、もちろん、それもありません。
一人だけ飛び抜けて大きくて目立つ佐々木オーナーが見たかったのに…!
特にダービーですから、馬主さんたちの緊張感ある表情を伺うのもなかなか面白いんですけどね。香港とか海外のレースではよくオーナーがテレビに大写しになってます、あれ、結構面白いからもっとやればいいのに、て思います。
……さて、話をもとに戻しましょう。
馬場入場からスタート位置まで向かう返し馬でも、それほど変わったことはなく、淡々と進むダービーでした。
無敗で二冠制覇がかかるコントレイルの足取りはみなさん、気になると思いますが、まずまずの様子。福永騎手も馬に任せつつも、レースへの気持ちを高めているように思えます。
スタート前に歌手の平原綾香さんによる、国歌独唱がおこなわれました。
無観客でも、やや緊張した表情から一転、素晴らしい歌声がダービーにさらなる緊張感を与えてくれます。
ファンファーレは今日も誰もいないスタンドに響きます。
何度聞いても寂しいですよね。
ゲート入りも順調。
二冠制覇がかかるコントレイルも問題ありません。
ダービーのゲートが開き、今年の頂点を決める闘いが始まります。
各馬一斉にスタート…のはず、マンオブスピリットがダッシュがつかない。
⑤コントレイルはスタート問題なく、むしろ好発進とみるべきでしょう。
前目のポジションを取りに行きます。
ハナを切ったのは、一番外にいた⑱ウインカーネリアン。割とよいスタートで、先頭を確保します。まずは1コーナー。コーナーワークで隊列が決まっていきます。
ウインカーネリアンから1馬身ほどで、⑩コルテジア、⑬ディープボンド、そして3、4番手の内ラチ沿いに⑤コントレイルがいます。⑥ヴェルトライゼンデも続いて、ここから馬群固まっています。外から⑰ヴァルコス、⑪ガロアクリーク、②アルジャンナ、③ワーケア。そして、一馬身切れて、外に⑫サリオス。
サリオスは中団から後方にポジションをとっています。コントレイルまで6~7馬身ほどあるかもしれません。
内には①サトノインプレッサが脚を溜めます。その後ろに⑧ビターエンダーと⑨ダーリントンホール。外のコースに⑮サトノフラッグと⑭マイラプソディがいますが、マイラプソディは徐々にペースをあげて一気に番手をあげる構え。シンガリは3馬身離れてマンオブスピリット。
最初の1000mは61秒7と遅い流れになっています。
このペースで奇策をもちよるのはマイラプソディ。鞍上の横山典騎手は先週のオークスではウインマリリンの先行策で2着に粘りこみました。マイラプソディが一気に先頭まで駆け上がって、3コーナーをまわるころには先頭集団に接近しています。ほとんど2番手コルテジアと同じ位置まで上がってきてしまった。
満員のスタンドからどよめきの声が、、、本来ならしているはずです。
3コーナーに入り、短い馬群がさらにぎゅっと固まる。
こうなると後ろにいるインコースの馬はつらい。どう進路を確保するか。
外の馬だって、マクリ必須。サリオスは大外マクリの豪快な競馬をするのか。外側を回る分、距離損はどうなるのか。
欅の向こうを通過して、先頭はまだウインカーネリアン。
ほとんど並んでコルテジアとマイラプソディ。
すぐ後ろにコントレイルが控えています!
勝負の4コーナー!
サリオスがぐいぐいと大外から手応え良くまくってきます。
先頭はマイラプソディに代わった。そのあとはコルテジア。
コントレイルは外に持ち出し、進路を確保する。あとは伸びるだけだ。
さあ、いつ伸びる? まだまだ福永騎手は追ってない。のこり400m!
先頭までは3馬身ほど。
外からサリオスが追い込んでくる。
残り200m、ようやくコントレイルが動きだす。
悠々と馬場の真ん中に飛び出し、気づけば先頭へ躍り出ている。
馬群の方は差し馬たちが一挙に先行馬へ襲い掛かり、形勢が逆転するも、そんな争いはどこ吹く風とコントレイルはただ一直線に駆け抜ける。その差は一馬身、二馬身と広がっていく。単独の2番手はサリオス。これも強い走りで後続を寄せ付けない。
3番手争いは大激戦。内から馬群を捌いて颯爽と現れたのはサトノインプレッサ。地道にぐいぐいと伸びてくるのはヴェルトライゼンデ。
しかし、コントレイルは圧倒的な走りでゴールに向かう。
2020年ダービーは無敗の二冠馬、ここに誕生。
コントレイルが圧勝のゴールイン!
3馬身差で2着にはサリオス。3着にはヴェルトライゼンデ。
父ディープインパクトに並ぶ無敗での二冠達成という快挙を成し遂げたコントレイル。もしも、このスタンドに満員のお客さんが入っていたら、どれだけ盛り上がったでしょう。
福永騎手は、誰もいないスタンドに向かってヘルメットをとって深々と一礼し、装鞍所に向かうのでした。
まるでたくさんのファンがそこにいるように。
無事にダービーを走り切れた感謝を示すように。
レースのポイント
ウインカーネリアンが逃げる展開になったのは、大概の予想どおりだったと思います。
しかし、最初の1000mが61秒7とこのレベルのレースでは遅いペースです。
今開催の東京競馬場の馬場は前に行った馬が止まらないと言われていましたが、なんとスローペースではあったのに、前に行った馬はコントレイルを除いて直線での勝負に最後は次々と抜かれていってしまいました。しかし、コントレイルは福永騎手に追われて伸びる一方。やはり格の違いをみせつけていました。
2着のサリオスはコントレイルがいなければ、勝っていたのだろうと思います。思いの外、外をまわってきましたが、あの伸びはさすがというべきでしょう。今後の活躍が期待できそうです。
やはり、コントレイルとサリオス。
コントレイルの強さが際立ちましたが、さりとてサリオスも強い馬に違いありません。今後もこの2頭から目が離せません。
予想の結果は…
◎サリオス……2着!
もういいんです、コントレイルがあれだけ強い競馬で二冠達成をしてくるなら、もうお手上げです。
1着○コントレイル
2着◎サリオス
3着 ヴェルトライゼンデ
4着 サトノインプレッサ
5着 ディープボンド
3着以下はかすりもしませんでした…。
泣ける。
次回は安田記念です。
みんな大好きアーモンドアイ最多G1勝利記録に挑みます。
また解説書きますので、ぜひ読んでみて下さい。
それではここまでありがとうございましたー。
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