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日本のロケットはなぜ成功できないのか…『責任』を放棄した組織の結末・イプシロンロケットの失敗に見る

 イプシロンロケットが地上燃焼試験で爆発炎上した。
 固体ロケットであり、特に大きな開発要素や新規の難関に挑んだ訳でも無いと言う。
 一体、立て続けに失敗する日本の航空宇宙開発の失敗の連鎖の原因は何なのか。
 ここまで失敗が連続するという事には、根本的な技術以前の要因が潜在的にあると見るべきであろう。
 これは、組織の持つ『文化』が失敗を産み出す決定的な要因となっていると考えられる。
 これを対象は異なるが、組織文化と言う点で共通する事例を見て行こう。
 ここ十年以上、不祥事や犯罪的な事件が、国、民間を問わずに起きているが、これらの持つ根本的病理は何なのだろうか?
 財務省の書類改竄事件が報告された後に、当時の組織のトップである麻生財務大臣兼副総理は責任は取らずに、「組織を立て直すことが私の使命である」として、責任を取るどころか、居座った形で幕引きをした(麻生は、給与一部の自主返納なる珍案を持ち出して、実質的に処分も受けなかった)。
 戦いに敗れた将軍が敗因を分析して再び戦いに挑む…敗北の責任は不問にして再度チャンスを与える…これでは何度戦っても戦に勝つ訳は無い。
 努力しても敗れた場合は、将軍には結果責任を問う…これは組織として当然なのである。
 というより、組織のトップこそは責任を果たす、失敗の責任は取る・・このために存在するのである。
 また、『敗軍の将、兵を語らず』とも言う。負け戦の原因を部下のせいにしてはイケナイ…ということは古来組織論の当然な話として語られている。
 財務省事件で、麻生大臣(当時)は、
 ★当時の佐川局長が命じて改竄が行われた
として自らの関与を否定した。
 これは、政治家が
 ★秘書がやったことで自分は知らなかった
というセリフが大流行したことがあったし、現在でも行われている。
 このように、組織が組織として機能するには、
 ★組織のトップは潔く、結果責任を取る
ことでなければ、過ちや失敗を幾度となく繰り返すだけである。
 それが証拠に、現在の日本の宇宙開発、取り分け『ロケット開発』で失敗が繰り返し起きている。
 プロジェクトを率いて、結果として失敗した場合には、新たなトップが原因究明と対策案を策定する…こんな当然なことが出来ない日本の組織の在り方は、宇宙開発・技術開発に限らず政治や行政において失敗の連鎖を産み出す、日本沈没の大きな原因であることを自覚せねばならない。
 失敗しても責任を取らない…失敗してもペナルティ無し…再び失敗する
この繰り返し。


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