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ポエム帳

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酔っぱらったときに書きます。
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2020年2月の記事一覧

39.5℃のカナリア

歌うことが好きだった。次の言葉を探さなくてよいからだ。あの頃の私はいつも言葉に迷っていて、おはようの一言にさえ逡巡して、ぐずぐずと夕暮れを迎えていた。お酒が飲みたいのではなくて、酔わなくちゃ目を合わせられなかったんだ。夜が好きなのではなくて、逃げ込める場所がそこしかなかったんだ。

誰も聴いてはくれないけれど、色の変わる大きなフォントに一人で想いを託して、今日と明日との境界線上でなんとか生きていた

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