見出し画像

筏流し


今朝
朝日の産声をきいた


青空のもと
雲の言葉に相づちをうった


いつか夕日の泣き声をきいた
葉っぱのさようならをきいた


花びらの落ちる音が響いて
木の涙が頬を濡らした
鳥は夕焼けに別れ唄を歌った


花落ちる
その艶やかな音をきいた


川のせせらぎが慰めていた
花びらを筏に組んだなら
そうっと海へと送った


海の音を静かに想った
今も空耳のように
パステルの青い潮騒のなか
ハマシオンがほほえんだ


誰もいなくなる海に
花びらの筏に乗って
昨日から希望が届いた


明日の音はきっと美しく響くと
根拠も無いまま
明日を信じた


ぼくの波打ち際の
浅瀬まで
花びらの筏に乗って
明日の希望がたしかに届いた




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?