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夏の逃げ水

360文字


街を見下ろせる丘の上の公園に
紫陽花がさようならを告げるころ


午後の逃げ水がひろがる歩道を歩く
あの日もこんな夏の一コマがあったと思う


地上171cmは空気の揺らぎ1/fの迷い
そよ風の向こうには君の声がきこえて


明日からの手紙がポストに届いている
午後の逃げ水を追いかけて


夢の向こう側へとシロサギは先に行く
飛び立つ姿は幸せの象徴だと君がいう


並んで歩いたねそんな昨日も置いてきて
逃げ水を追うように明日の話をしよう


きっといいことがある丘の上の公園の
季節はまた夏の日差しきらめく夢


きみと歩いてきたここまでも
明日の手紙を書こうと思う
きみにも手渡す希望の言葉を
あの逃げ水を追うように
明日の手紙を書こうと思う


1/fの揺らぎ
その穏やかな声
いっしょに話をしよう


季節はめぐりながらも
すてきな明日は必ず来ると
紫陽花が枯れて教えてくれた
夏の逃げ水の揺らぐさま



丘の上の公園で。


空は、どこにいても空。
どこへでもつながる。



枯れてもいいんだ
季節は巡るから
きっとまた会えるから。





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