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詩を思うとき


私の詩を見かけませんでしたか
ずっとさがしています


散歩に出ると告げて
そのままどこかへ行ったようです


もうずっと帰ってこないので
心配性な私は
どこかでお腹をすかせて
へたりこんで
泣いてやしないかと
詩のことを思うと
いてもたってもいられないのです


詩を見かけましたよ
あの木陰のベンチでうつむいて
静かに座り込んで


コーヒーを片手に微笑んで


詩なら見かけましたよ
あの街の交差点で
信号待ちの背中をまるめて


誰かを待っているかのような


詩を見かけましたよ
道ばたで
北風の走りぬけていく姿を

それはそれはあたたかく見送っていました

詩はまるで楽しそうに
応援しているかのようでしたね


北風の吹きはじめたあの街かどで
誰にも気づかれないように
しらさぎの舞う大空には
ひとつぶの詩の鳴く声が響く


そうっと
耳をすまして


あなたのさがしていた詩を
私はたしかに見ました
泣いていたのかもしれません



あぁ、そうなのですね。。



これから公園へまいります
ありがとうございました


そこに行けばきっと詩に会えることでしょう


さがしたんだよと
この手をそっと
さしのべてあげましょう


そうしてあげてくださいね








飛行機雲は未だ延びてゆく


終わってはいない


ある日の日


君の夢のつづき


どこまでも


響け


どこまでも





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