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武藤 翔④

2人はボールのカット練習をして時刻は8:20になっていた。

「今、ボールを持ってるので終わりだ!終わった人間からボールを片付けて授業に行く準備だ!」

二階堂キャプテンがそう叫ぶと最後にボールを持っていた人がカット練習を終えるとボールを片付け始めた。

翔達もそれを聞くと、ボールを持っていた萌音は、

「これで最後。」

少し微笑むと勢い良く翔の方へ走って来て、翔は目からボールを見失うと次の瞬間には翔の頭上をボールが通っていた。

「えっ...!?」

萌音は翔の右側をスッと抜くと落ちて来たボールを足で止めた。

「最後は私の勝ちだね。」

萌音は翔に微笑み掛けた。

「ヒールリフト...いつ練習したんだよ...。」

「マネージャーの仕事してる間に。」

萌音はボールを片付けて、2人は授業に行く準備をする為に部室に戻っていった。

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サッカー部の練習を校舎の屋上から2人の女性徒がずっと見ていた。

「今日は武藤先輩、調子悪いのかな。それとも女子が相手だから油断したとか。」

「ただイチャイチャしたかっただけじゃないの?」

「そんな事ない!武藤先輩は私以外の女なんて見えないんだから!」

「話した事も無いのにどこからそんな言葉が出てくるのやら。」

「今はまだ私の存在を知らないけど、いつかは私の事で頭が一杯になる様になるんだから。」

「どんな手段使うか知らないけど武藤先輩を追いかけてこの高校に入学したんだもんね。頑張らないと。」

「そういう事。どんな手段を使っても武藤先輩と付き合ってやるんだから。」

女生徒は腕を組んで仁王立ちをして大きく鼻息を出すと、

「ハイハイ、もうすぐ授業始まるから行くよ。」

もう1人の女生徒は屋上の扉に手を掛けていた。すると仁王立ちしていた女生徒はすぐに振り向いて走り出した。

「もう!待ってよー。しずかー。」

2人は屋上を後にした。


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