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【選書の舞台裏】2021年5月"すごい女"

こんにちは、Chapters bookstoreです。全然ゴールデンじゃないゴールデンウィークですが、読書好きにとっては最高のリーディングウィークになりそうですね。

本棚で、手と手が重なるような出会いを信じ、毎月4冊の文庫本のみを扱うオンライン書店・Chaptersは、今月も元気に開店です。このnoteでは、毎月悩みに悩んで厳選された4冊の選書の舞台裏について綴っています。

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5月"すごい女"

“世の中の「ほんとう」がわかります”
(週刊文春ウェブサイトより)

文春砲のイメージが先行しがちですが、
文春は、文庫もすごいんです。

5月は少々毒を帯びた選書テーマとなりましたが、
物語の力で5月病の鬱屈とした気持ちを
吹き飛ばすんだという思いを込めて
それぞれ思いのこもった作品を選書。

人間関係で迷いが出やすいこの季節に、
フィクションの力を。

三者三様の"すごい女"、
ページを開き会いに来てください。

chapters bookstoreへ行く


どん!

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どどん!

今月のチャプターズは、文春文庫さんとの選書コラボでお届けです。

(重厚な赤絨毯の入り口に、すごい数の警備員さん。初めてのお打ち合わせでオフィス訪問をさせて頂いた際は、思わず写真を撮らずにはいられませんでした...)

文春文庫の好きなところ

本を手に取る際、出版社で選ぶことはほとんどないのですが、ずっと読んでいると、なんとなく読み終えた後に「あ、これ○○かな?」と出版社が浮かぶことがあります。

あくまでも私の勝手な主観のみでお伝えすると、そこまで書いていいの?と疑ってしまうほどの人間模様と、読後に心地よい疲労感が待っている超大作は、文春文庫が多いような。

今回の選書には選ばれていませんが、「愉楽の園」「彼女は頭が悪いから」「革命前夜」「羊と鋼の森」... 私の本棚に並ぶお気に入りの文庫でも、人間模様が強く描かれた、分厚ーーい文庫は文春文庫さんがたくさんあります。

文春さんとご一緒することが叶うなら、そんな私のもつ文春文庫の印象がそのまま伝わるような選書を揃えたいと思いました。

5月を生き抜く、力強い人間模様を描いた4作品。

結果、出揃った本を並べて出てきたテーマが「すごい女」。

登場する強烈なキャラクターが全作品女性だったので、テーマを「女」でくくりましたが、選書時にこだわったのは人間ドラマ

4作品全部、いやってほどに人と人とが関わり合います。

互いに傷つけたり、騙したりするくせに、なぜ人は関わるのか。そんな誰も分からない答えのない問いに、自分じゃない人が向き合うからこそフィクションは面白い!

5月病、という言葉があるように、5月は人間関係に悩む人が一番多い季節だそうです。文春の人間ドラマが、束の間でもみなさんの悩みを吹き飛びますようにと、温め続けた企画を5月にお届けすることにしました。

爽快な読後感をご希望の方はこれ一択。

今回の選書を通じて新たに読了した作品がいくつもあるのですが、その中でもお気に入りで、ぜひ読んでもらいたかったのがこちら。

元カレに依存する女

もつれ、からまり、複雑化する人間ドラマが面白い他の3作品とは違い、この作品は、さっぱり!すっきり!しています。

彼氏の家に元カノが入り浸る...という冒頭は地獄絵図からのスタートですが笑、ぜひ読んでもらいたい作品。

そして今回、ウェブサイトに掲載している4つの推薦文は、文春文庫の編集さんによる推敲が入りました。チャプターズとしては大変贅沢な経験をさせていただき光栄です、ありがとうございます。

クリエーターは作字アーティストのにおさんをお迎え

作字、って皆様ご存知でしょうか。

文字のデザインでクリーエティブを表現する一つの手法(合ってるか不安><)なのですが、twitterで日々そんな作字をアップされているのがにおさんです。

本を選ぶ時に、あれこれ考えず直感を大切にしてほしいと考えるチャプターズとしては、今月のテーマに「女」という印象の強い言葉を掲げてしまった分、クリエーティブからは人の気配を消して情報を最小限にしたいと思い、そこで出会ったのがにおさんでした。

そうか、文字がデザインになるのか!と衝撃⚡︎⚡︎

この直感的な作字で、文春文庫「すごい女」をご紹介したいと思い、どきどきしながらご依頼。におさん、作品も全て実際に読了してくださって、におさんご自身の感性が存分に活かされた4点になっております。

例えばこれ。

承認欲求に狂う女

承認欲求は、画一的な窓から誰かに見られているかもしれない脅迫感、で表すよう窓をモチーフに。文字は、ねちっこい性格を丸文字に、それをあえて不安定で読みにくいバランスにすることで人間関係の下手さを表現。

復習に燃える女 (1)

そしてこちら。

作品設定が田舎の村社会なので、古い慣習が現れるようにと記号文字から着想を。

その他、元カレに依存する女、の中央に引かれたラインは、未練や後ろめたさを表現しています。


・・・・作字、すごくないですか?!?!

におさんの作字の力で完成した、今月の4作品。

みなさんどれを選ぶでしょうか。毎回なんとなく人気分布は予想をしているのですが、今月は全く検討もつきません!

3者3様のすごい女に会いに、ぜひチャプターズへお越しください。

今月も、Chaptersと一緒に読書を楽しんでくださると嬉しいです^^

chapters bookstore 5月の本"すごい女"を見に行く。



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