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ハノイ旅行2_市内へ

ノイバイ空港からGrabタクシーで35分、
ホテルを目指す。

タクシーの窓から見える初ベトナムは
雨霧と黄砂(?)でえらくかすんで見えた。

ちらほらと見え始めた看板も当然のごとく、読めない。
時々目に入る「SAIGON BEER」や「PHO」「COFFEE」の文字に
ついに来てやったぜ、と実感が湧いてくる。

市内に近づけば近づくほど道は険しさを増し、
少しずつ交通事情の”おやおや”に気づいてくる。

  1. 車線はあってないもの

  2. 車はバイクに囲まれる形で走るのがデフォ

  3. バイクの乗車定員は時と場合によりけり

  4. 信号はあくまで目安

  5. 歩行者の道路横断はもはや肝試し

…なぁるほどォ…!?と内心ひやひやしながら
渡航前に加入した保険証券をもう一度確認。

ふと、6年前に母と行った台湾旅行が頭をよぎる。
ダイナミックな交通ルールに圧倒された母は
ほら、今!と手を引っ張ってもなかなか道路を渡れず、
2歩進んでは出発地点に下がる、という危険な行為を繰り返し
結局はホテルの向かいに位置するコンビニまで
タクシーに乗った強者である。(超迷惑)

今回旅をともにする夫は
どこに行っても順応できるタイプ。
一生ホテルから動けない、なんてことはないなと
安堵したのも束の間、もう一度姿勢を正す。

Grabタクシーのおじさまには申し訳ないが
空港での熱い洗礼をまだ引きずっており、
急に横道に逸れて僻地に誘導されるんじゃないか
追加料金プリーズなんて言われるんじゃないか
もはやGrabというアプリ自体幻で
巨大な詐欺組織の餌食になったのではないか
と最悪の事態のその先まで想像する始末。

無限の妄想を繰り広げていると急に車は止まり、
目の前には予約していたホテルの看板が。
当の運転手のおじさまはさっさと荷物を下ろし、
「Star5、OK?」と言って颯爽と行ってしまわれた。

「いっ、生きてた~っ…!!」

荷物が揃っていることを確認し、Grab内でチップを多めにお渡し。
もちろん星5つをつけた。
(疑ってごめんなさい、本当に快適な移動でした。)

ということで、ついにホテルへ。

ターコイズブルーの男性用アオザイに身を包んだ、
人当たりのよさそうな「デイブ」が迎えて入れてくれ
ウェルカムドリンクのパインアップルジュースを飲み干すと
あれよあれよと部屋へと案内された。

部屋のドアを開けると、大きな窓が目に入る。
市街地のホテルは窓なしのお部屋も多いらしく
ちょっといい部屋(別名:ハネムーンスイート)を予約していた。
さすがにスイートルームだし、不便はないだろうと。

だが、どうしたものか。
ベッドが何者かに占領されている。

「真心を込めてご用意させていただきました」(意訳)
と少し得意げなデイブ。

間髪入れずハ、ハ、ハックシューン!と
ベトナム初くしゃみ。

これぞ、ホスピタリティ

インスタグラムやゼクシィでしか見たことのなかった光景。
そういえば、ハネムーン(スイート)ルームやった…!
というこっぱずかしさよりも、用意してくださった気持ちが嬉しい。

普段はシンプルイズベスト!な私たちも
さすがに外国で祝われるとは思っておらず、非常に感激した。

そして同時に、鼻がムズムズしてくる。
分かっている。
悪いのは花粉症である私だ。

存分に写真に収め、お花は花瓶へと移動。
街に繰り出す前にシャワーを浴び、
前世は鳥だったタオルで体を拭く。

くしゃみも落ち着き、
お腹は十分すぎるほどペコペコだ。

長袖のカットソーに楽なズボンを合わせ
お気に入りのスニーカーを履き、
はやる気持ちで外に出るとパラパラと雨が降っていた。

日本なら迷いもせずに傘をさすところだが
ここでは誰もさしていない。
半袖から伸びる腕に落ちる細かい雨も
なぜだかここでは気にならない。
むしろ、自由になったようで気持ちがいい。

心も体も軽くなった私たちは
記念すべきベトナムでの初食事に
心を躍らせながら一歩を踏み出した。


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