壺の中で発酵!竹のストローで、壺から吸って飲むベトナムのお酒!?
お酒というのは、時にコミュニケーションを滑らかにする。英語を話すのに自信が無かった頃は、よくお酒の力を借りた。ビールがあると、ちっちゃな間違えは気にしなくなり、楽しく英語で話せる。
旅の時、お酒が飲めたお陰で面白い体験が出来たことは何度もあった。そして、海外で出会う大半が、お酒が好きな人達だったので、話の種にも持ってこいだった。
「ドイツにはどんなお酒があるの?」
「ミードってどんな味?」
「ビール作った事ある?」
世界各地に色んなお酒がある。
ベトナムの発酵食品をネットで調べていたら、衝撃的なお酒を見つけた。
壺に入っていて、竹の管で吸う酒、ジウカン。
全く知らなかったけれど、吸管酒というジャンルのお酒は、東南アジアにはいくつかあるそうだ。どれも、管で吸う穀物のお酒。ベトナムではrượu cần(ジウカンあるいは、ルォウカン)と呼ばれ少数民族のお酒として知られる。結婚式などお祝いの席、旧正月に特に飲まれるとの話。
rượu = 酒 cần = 管
読み方が違うのは、方言によるものだ。ハノイではジウカン。
飲み方は、壺の上に被せてあるフィルムを取り、竹の管を挿して、水を壺の中に注ぐ。30分程待ってから、竹の管で四方八方からチューチュー吸う。
ちょっとこれは、、、ワンダーランド過ぎる!
ジウカンが面白い理由。 その1
「水を入れないで発酵。」
日本で穀物を発酵させて飲むお酒といえば、どぶろく、日本酒。でも、水を入れて仕込むのが普通だ。一方、ジウカンは水を入れずに発酵するらしい。壺の中に出来たお酒の原液に、お水を注いで飲む。水は後から入れるなんて、斬新!
ジウカンが面白い理由。 その2
「籾殻。」
壺の中身は、
米(うるち米、もち米、どちらかor混ぜてある)
餅麹(日本の麹と違い、団子状)
籾殻
上のふたつは理解出来るけれど、3つ目の籾殻って。。。コメの外皮でしょ?あれでしょ?硬いのに分解するんかな?それとも他の役割が?特別な菌が棲んでいるとか。分解を助けるとか。謎!謎すぎるぞ籾殻!!!
ジウカンが面白い理由。 その3
「竹のストローで吸う。」
プラスチックストロー廃止の流れが海外で盛り上がってる中、何のブレも無しに伝統的に竹のストローを使ってる。でも、籾殻詰まらないのかな?
ジウカンが面白い理由。 その4
「四方八方からチューチュー吸う。」
挿すストローは1本じゃない。4本、8本、時にはもっと。壺の大きさに寄るようだけれど、想像しただけですごい光景。壺を真ん中に置いて、みんなで一つの壺から酒を吸う。新しい。いや、むしろ古くからの伝統なんだけども。日本では同じ釜の飯を食うとか、鍋を囲むと何だか親近感が沸くような文化があるけれど、そんな感じなんだろうか?やってみたい!大人数で、ジウカンを一緒に吸う。
ジウカンが面白い理由。 その5
「族外不出のレシピ」
ジウカンは1種類ではない。54種族の少数民族がベトナムには居て、その中にジウカンを伝統的に作る種族が何種族かいるそう。いくつか、その種族が暮らす村を訪ねて調査した論文などがあるのが、ネットで調べるとすぐ分かる。その論文を読んでみると、手法の全てを聞き出せた訳ではない事がわかる。外部の者には教えない。そう聞くとますます知りたくなる!
ジウカン探しの旅が始まる
ここまでに得た情報は、2018年11月までに、インターネットで行き着いた情報だった。論文やニュース記事、Youtube動画がとても参考になった。疑う訳じゃないけれど、でも、自分の目で見て味わってみたい。
2018年11月。ハノイを訪れる前から、ジウカンがハノイで飲める店を私なりに調査した。FBでベトナム関連の友人たちに聞いて見たり、ネット検索したりして。現地でも尋ねた。
だけど、残念なことに見つけられず。
都会には無いのだそうだ。
2019年5月、ハノイを再訪する直前にたまたまFBで見つけた、ハノイ外にあるレストラン兼卸売業者のような会社に連絡してみた。
そしたら、
仕入れ先の工場を案内してくれる事に ❤︎
そんなこんなで、
ジウカンを深掘りする旅が実現!
その時のお話は、また今度。
頂いたご厚意は、さらに世界の発酵を見て、伝えて、開拓する為に使わせて頂きます。