短歌集『思い出はラムネ瓶の中』の制作秘話
2024年4月27日に短歌集『思い出はラムネ瓶の中』を発行しました
現在、ギャラリーカフェテオ様と箱の中のお店様にて販売しています。
たぶん余ると思うのでBooth通販も6月頃やってみようかなと思っています。
どんな歌集ですか?
この短歌集は2023年12月〜2024年1月のあいだに夏が恋しくて詠んだ連作短歌です。
印刷所をつかってきちんとした歌集を作るのは初めてのことで自分の得意分野であるストーリーラインに沿った歌集にしてみました。
私はずっとコンクリートジャングル名古屋に生息していたので、田舎の夏特有のエモと言いますか郷愁がピンとこない人です。
ですのでこの歌集の内容も名古屋市内にしました。
みなさんご存知のとおり名古屋には何も無いので、夏休み終わりがけになって急いで海に行ったり、なけなしの小遣いでカラオケやゲーセンに行くのが名古屋の夏です。この歌集に出てくる男子高校生二人もそんな感じです。
しかし、この歌集はコロナ禍で奪われたもう存在しない夏かもしれませんね。
ですので「古すぎず・懐かしい」「確かに存在した夏」「フィクションで美化されすぎてない夏」という読書体験ができるかなと思っています。
タイトルの由来は?
私が大好きなバンド・眩暈SIRENの楽曲『思い出は笑わない』から来ています。
眩暈SIRENのフロントマン・京寺の言葉のセンスや書く詞の世界が大好きです。私が書く文章も京寺からインスパイアされたところも多いです。
楽曲『思い出は笑わない』は暗い内容なのですが泣きのギターとピアノがとても美しい曲です。また、サビの歌い出しの歌詞がいいですね。
この歌集を書いていたときは寒さのあまり気分が沈んでいて眩暈SIRENの曲をたくさん聴いていた時期でした。
眩暈SIRENはテーマが暗い曲が多く、あのときの私の気分に合っていたんだと思います。
そんな2023年12月、眩暈SIRENが春に解散すると発表しました。
心に小さく灯るろうそくの火が消えたような、静かな喪失を覚えています。
そのときなんとなく『思い出は笑わない』をリピート再生して聴いてました。
2024年3月、眩暈SIRENは約束どおり解散しました。
そのころは厳しい冬を越えて春になり、そのしてこの歌集を編んでいたときでした。
なんて言うかな、悲しいときも辛いときも寄り添ってくれたのは眩暈SIRENの楽曲でした。その感謝を込めて歌集のタイトル原案にしました。
この歌集を読んでくれる人へ
個人的にかなり納得のいく1冊になりました。
自信作です。でもあんまり気をはらずに読んでくださいね。
これから来る夏があなたにとって素敵なものになりますように