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詩/山尾三省さんからの返事

山尾三省さんからの返事

2000年8月、
詩集BOHEME(52編)を
四部のみ手作りした。
読み終えたら次の誰かに手渡して欲しい、
その旨書き添え
バックパッカーたちに託した

BOHEMEをまとめた時
独りよがりではないのかと恐れ
その誠実さを疑いようのない、
今は亡き屋久島の詩人に原稿を送った

その詩人は
私のような小童(こわっぱ)にさえ返事をくれた

「詩が詩として成立している以上、他者に手渡される必要があるのではないでしょうか。」と

それを詩と呼ぶ以上、
人間の最も深い井戸から汲み上げられた水である以上、
一人で飲み干すわけにはいかない

詩人はそう言っているのだと思った
彼は、命の話をしていたのである

2003年5月

※現在、見出し画像の住所には、愚角庵と呼ばれる、故 山尾三省さんの書斎が残っているようです。

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