うさぎ4

「うさぎ」


今日のキーワード「うさぎ」


どうも。


えー、これは私が実際に経験したお話です。


信じてもらえるかどうかはね、正直わかりませんが、精一杯、原寸大の温度感でお伝えしたいと思います。


これはね、私が人間になる前の話なんですが


ええ、元々は別種族をやってまして


うさぎでした、結構な立場の。


あぁ、役職としては、その日取れた人参を一番にかじる、先駆けみたいなことをやっていましたね。


その時の話になります。


ある日、私は野原を駆け回っていました。


絵本とかで、うさぎにピョンピョンって擬音がつくじゃないですか。


あれは嘘っぱちですよ。


実際私らが走ると、シュッって音がしますね。シュッって。


んで、今日は何を食べよーかなーてなもんで、シュッシュッって探し回ってたわけです。


そしたらね、草の陰からね、のそーっとアオダイショウがこっちをのぞいてるわけですね。


アオダイショウってのは、ヘビの一種ですな。


んで、あらあら、遠距離から見られてらぁとか思ってたらね、どうも様子がおかしいんです。


シルエットといいますか、どうもね、ヘビらしくない


確かめるためにそーっと近くに寄って行ったんです。


うさぎの頃はだいぶ近眼だったので、はい。


そしたらね、青大将のちょうど真ん中、あたりがこんもりしてたんです。


うさぎ型に。


よく言うじゃないですか、蛇は自分よりも大きな動物まで飲み込めるって。


びっくりしましたよ、実際に眼の前で見たら。


同じ種族が消化されてるところ見ちゃったわけです。


カルチャーショックでしたね、正直。


もう、慌ててねぐらに帰りましたよ、シュッシュッって。


その夜あたりに体が熱くなってきて、朝になったら人間になってたんです。


多分過度のストレスだと思います。


ええ、今思うと不思議な話ですよね。


でもね、私意味があると思うんです


うさぎだった私が人間になったことには。


おそらくね、人参の地位向上だと、私は思うんです。


もっとね、皆さん人参をね、積極的に食していきましょう。


あんなに美味しいものはないですよ。


元々結構な対場のうさぎだった私が言うんですから。
間違いないですよ。


今日をきっかけに人参嫌いがいなくなることを私は祈っています。


うさぎだけに。


・・・ピーターラビット 


センキュー。


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