こけし

どうして良いかわかんない感情の吐きだめ

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誰も報われないことに意味がある「日出処の天子」山岸涼子

息を呑むほど顔の造形が美しくて、どこか寂しげな哀愁漂う綺麗な瞳に線の細い華奢な体。どこかほっとけなくて近づこうとしたら、冷たくあしらう癖にそっと服の裾を掴まれるような稀に見せる幼い顔。そんな全人類の女子がハマったら抜け出せない沼のような男。それが山岸涼子先生が描いた「日出処の天子」の厩戸王だ。 長かった王子と毛人の物語がついに終焉した。毛人は布都姫との未来を、王子は気狂いの少女とともに歩んでいくことを選び、二人の道は別々に別れてしまった。 でもそのどちらの道にもこれから先

    • 夢で初恋の人に会ったこと 1

      夢を見た。目が覚めたときも彼のことを鮮明に覚えていて、私は少し泣きそうになった。 「私たちが運命ならよかったのに」 私と彼の関係を表すなら、幼馴染みというよりはもはや腐れ縁だと思う。幼稚園・小学校・中学校も一緒。ただ家は歩いて10分かかる場所にあり、家に遊びに行ったことはなかった。それでも小学校一年生の時の地区のプール行事には、私と彼と仲が良かったもう一人の男の子とバスのふたりがけのシートに一緒に座って気づいたら、眠りに落ちた彼の頭が私の方によりかかり、ドキドキして寝れな

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